2002 Fiscal Year Annual Research Report
炎症組織及び固形腫瘍における血管新生のケミカルメディエーターによる制御
Project/Area Number |
02F00264
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大内 和雄 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GHOSH Ajoy Kumar 東北大学, 大学院・薬学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ヒスチジン脱炭酸酵素 / 増殖型炎症モデル / 固形癌 / マクロファージ / 血管内皮増殖因子 / angiopoietin-1 |
Research Abstract |
1.ヒスチジン脱炭酸酵素欠損マウス及びその対照マウスを用いた綿糸誘導増殖型炎症モデルの解析:(1)Acharan sulfateは本モデルに於いて血管新生を抑制し、肉芽形成を減弱させること、その作用機序はVEGFの産生抑制ではなく、その作用発現を抑制することを明らかにした。(2)ヒスチジン脱炭酸酵素欠損マウスでは、綿糸による血管新生が減弱しているが、これはVEGFに加えてangiopoietin-1の産生も低下していることをみいだした。このとき新生血管にはペリサイトの形成が不完全であった。さらに、ヒスタミンを投与することによりangiopoietin-1の産生が誘導されること、この誘導は抗VEGFで抑制されることを見いだし、angiopoietin-1の産生にはヒスタミンにより誘導されるVEGFが大きく関与していることを明らかにした。 2.腫瘍細胞移植モデルの作製:マウスの背部皮下に腫瘍細胞を移植すると、免疫応答により拒絶され、腫瘍形成における血管新生の解析は難しいことがわかった。そこで、腫瘍細胞をリポソーム膜で被い、免疫応答を低下させることを試みた。固形腫瘍移植後、tumor necrosis factor-α及びinterferon-γの産生を指標に免疫応答を解析したところ、本法により、固形腫瘍に対する免疫応答が低下していることが明らかになり、固形腫瘍の形成における血管新生を解析できる実験モデルが確立できた。 3.マウスマクロファージ様株RAW264.7細胞を用いたケミカルメディエーターによるVEGF産生系の確立:RAW264.7細胞をprostaglandin E_2あるいはphosphodi-esterase阻害薬で刺激すると、VEGF産生が亢進することを明らかにし、ケミカルメディエーター刺激によるVEGF産生誘導機構を解析する実験系が確立できた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Ghosh, A.K., Hirasawa, N., Le, Y.S., Kim, Y.S., Shin, K.H., Ohuchi, K.: "Inhibition by Acharan sulfate of angiogenesis in experimental inflammation models"Br.J.Pharmacol.. 137. 441-448 (2002)