2003 Fiscal Year Annual Research Report
ナトリウム利尿ペプチド・一酸化窒素/cGMP系の分子機構と臨床的意義の解明
Project/Area Number |
02J00999
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中所 英樹 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ナトリウム利尿ペプチド / cGMP依存性プロテインキナーゼ / 内軟骨性骨化 / 軟骨無形成症候群 / 分子生物学 |
Research Abstract |
1.Na利尿ペプチドファミリー関連遺伝子操作マウスと軟骨無形成症候群モデルマウスの交配と解析 C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)の内軟骨性骨化促進作用の治療的意義を検討する目的で、軟骨細胞特異的にCNPを発現させたCNPトランスジェニック(CNP-Tg)マウスと軟骨無形成症候群モデル(FGFR3^<ach>)マウスを交配して得られるCNP-Tg/FGFR3^<ach>マウスの骨格系の変化を検討した。FGFR3^<ach>マウスで認められた四肢長官骨の短縮は、CNP-Tg/FGFR3^<ach>マウスにおいて野生型マウスと同程度まで改善が認められた。CNPはFGFの細胞内シグナルの1つであるMAPKシグナルを抑制して、FGFR3^<ach>マウスで認められる成長板軟骨細胞外マトリックスの合成低下を改善させた。一方、別のFGF細胞内シグナルであるStat1経路はCNPによって抑制されなかった。これらの結果から、CNP/cGMP/cGK経路の活性化が、軟骨無形成症候群の新しい治療法となりうることを証明した(Nature Medicne 10(1):80-86,2004)。 2.cGKの標的分子の同定 軟骨細胞におけるcGKII以降の細胞内情報伝達機構を解明する目的で、ヒトcGKII cDNAを組み込んだ発現ベクターと軟骨細胞のcDNAライブラリーを用いてyeast-two hybrid法によるcGKIIに結合する蛋白のスクリーニングを行った。その結果、collagen type I alpha 1,matrix metalloproteinase-3,vascular cell adhesive moleculeなどの分子がcGKII分子と結合する可能性が示唆された。 3.cGKI遺伝子導入トランスジェニックマウスの解析 SM22およびTie-2プロモーターにcGKI cDNAを連結することにより血管平滑筋あるいは血管内皮細胞特異的にcGKIを発現するトランスジェニックマウスを作製した。導入遺伝子が10-30コピー存在するマウスが生誕したが、ノーザンブロット解析、および免疫組織化学染色による検討では、導入遺伝子発現はいずれもごく軽度であり、血圧などの循環器系の表現型は野生型マウスと有意差は認められなかった。
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Research Products
(1 results)