2003 Fiscal Year Annual Research Report
衛星データと物質循環モデルを組み合わせたインドシナ半島の広域フラックス推定
Project/Area Number |
02J08485
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 博文 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | NPP / Heterotrophic Respiration / NOAA / AVHRR / MODIS / エルニーニョ / VPD / LST / 広域フラックス |
Research Abstract |
全球におけるNet Primary Production(NPP)とHeterotrophic Respirationのエルニーニョに対する応答を解析した.NPP推定において衛星データを用いる一般的な方法としてLight Use Efficiency(LUE)モデルを用いて推定した.入力データの衛星データにはNOAA AVHRRの月データを1982年から1999年で,気象データにはNCEP/NCAR再解析データの内,最高気温・最低気温・下向き短波放射・湿度・気圧を用いた.Heterotrophic Respirationの推定には大気二酸化炭素濃度観測の陸域二酸化炭素収支推定値から,上記の方法で推定したNPPを差し引いたもので全球のHeterotrophic Respirationとした.結果は論文としてまとめ,Journal of Geophysics Researchへの投稿中である. 次に生態モデルにおいてVapour Pressure Deficit(VPD)は大気による水・二酸化炭素循環の駆動力として重要なパラメーターである.しかしVPDは直接衛星観測が不可能であるため,2次元の地表面VPDの推定には,気候モデルもしくは観測点のVPDの値を内外挿したものを用いることが多い.衛星データによるVPDの代替的な推定方法として,Granger(1994)をもとに,MODIS11のLand Surface Temperature(LST)を用いてVPDを推定した.研究成果はAGU Fall Meeting 2003において口頭発表を行い,Remote Sensing of Environmentに投稿する予定である. また,上記の方法で推定を行ったVPDを用いることで水・二酸化炭素フラックス推定を全て衛星データを入力データとして行うことが可能である.この方法で得られた結果をバリデーションを行い,現在結果をまとめている.
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