2003 Fiscal Year Annual Research Report
最先端ミュオンビームの開発とミュオン基礎物理の研究
Project/Area Number |
02J08522
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮寺 晴夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Dai Omega / APD / 熱ミュオニウム |
Research Abstract |
高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所中間子科学研究施設・第二実験室に導入した大立体角軸収束超伝導表面ミュオンチャネル『Dai Omega』では瞬時強度で世界最強のパルス状正ミュオンビームが得られているが、Dai Omegaのミュオンビームに含まれていた陽電子・負ミュオン・パイオンなどのノイズを効率的に除去するため、DC/パルスセパレーターの開発を行いDai Omegaでテスト実験を行った。その結果、バックグラウンドノイズを従来の1/10程度に減らすことに成功し、Dai Omegaで大強度の表面ミュオンビームを使ったμSR物性やその他の応用的な実験を行えるようになった。 また、前年度に開発したμSR検出器系を応用し、現在、熱ミュオニウム(μ^+e^-)生成実験を行っており、タングステン及びその他の高温金属箔から熱ミュオニウムの生成に成功し、パルスあたりのミュオニウム強度で世界最高の結果を得ることができた。 Dai Omegaで発生に成功した大強度ミュオニウムを用いて、引き続き電子ビームによる熱ミュオニウムイオン化・励起実験を行う予定であり、そのための開発を行っている。電子ビーム衝撃法を用いれば、従来は得ることが困難であった2S状態に励起したミュオニウムを大量に生成することができ、マイクロ波共鳴を用いたエネルギー準位測定を行えば最高精度の量子電磁気学の検証実験が可能となる。 また、アバランシェフォトダイオードを用いた検出器の開発は成功し、現在はJPARCへ向けたデータ収集系の構築を行っている。CAMMACを用いた従来のμSR測定系ではJPARCのミュオン強度に対応不可能なため、新たにVMEを用いたデータ収集システムの開発をハード面とソフト面に渡って行っている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Miyadera et al.: "Dai Omega, a large solid angle axial focusing superconducting surface muon channel"Physica B. 326. 265 (2003)
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[Publications] H.Miyadera et al.: "High intensity surface muon beam using a large acceptance axial focusing channel"AIP Conference Proceedings. In press. (2004)
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[Publications] H.Miyadera et al.: "Axially symmetric particle separator for Dai Omega"KEK Progress Report. In press. (2004)