2002 Fiscal Year Annual Research Report
イレギュラーネットワークにおける適応型ルーティングに関する研究
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02J09965
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鯉渕 道紘 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | イレギュラーネットワーク / 適応型ルーティング / デッドロック除去 / 相互結合網 / 固定ルーティング / PCクラスタ / システムエリアネットワーク / ワームホール方式 |
Research Abstract |
本研究の目的は,汎用のパーソナルコンピュータを用いた高性能並列分散システムに用いられる高速な結合網(イレギュラーネットワーク)における適応型ルーティング技術の開発である. 本年度は,まず,シミュレーションによりイレギュラーネットワークにおける既存の各ルーティングアルゴリズムの特徴とその有効性を徹底的に検証した.具体的には,ルーティングの基礎を成すスパニングツリーの構成方法や経路の決定法などの諸性能を評価し,これらの要因がルーティングに与える影響について調査,検討を行った.また,イレギュラーネットワークにおけるルーティングは,低レイテンシ通信を実現するためにデッドロックフリー方式が用いられる.しかし,デッドロックフリーを実現するために,多くの既存のルーティングアルゴリズムは非最短経路を取る必要がある.そのため,イレギュラーネットワークにおける多くの適応型ルーティングは高スループットを実現することが難しいことがシミュレーション結果からわかった. 次に,これらの結果をもとに,スループットを改善するルーティング手法を1つ提案した.このルーティング手法は,仮想チャネルなどのネットワーク資源が豊富にある場合,最短経路を保証することができる.一方で,ネットワーク資源が少ない場合,非最短型経路を生成してしまう。しかし、常にデッドロックフリーを保証することができる利点を持つ.今後は,このルーティング手法の有効性をシミュレーションにより確認する予定である.今年度,主な研究成果は以上の2点であり,十分満足のいく結果であるため,国内学会,国際学会,論文誌等で発表を行い,高い評価を得ることができた.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 鯉渕道紘: "イレギュラーネットワークにおける仮想チャネルを用いた固定ルーティング"情報処理学会論文誌ハイパフォーマンスコンピューティングシステム. Vol.43.No.SIG6(HPS5). 112-121 (2002)
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[Publications] Michihiro Koibuchi: "The Impact of Path Selection Algorithms of Adaptive Routing for Implementing Deterministic Routing"the International Conference on Parallel and Distributed Processing Techniques and applications(PDPTA). 1431-1437 (2002)
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[Publications] Michihiro Koibuchi: "Deterministic Routing Techniques by Dividing into Sub-Networks in Irregular Networks"the IASTEAD International Conference on Networks, Parallel and Distributed Processing and Applications(NPDPA). 143-148 (2002)
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[Publications] 鯉渕道紘: "イレギュラーネットワークにおける仮想チャネルを用いた固定ルーティング"並列処理シンポジウムJSPP. 43-50 (2002)
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[Publications] 鯉渕道紘: "PCネットワークにおけるサブネットワークを用いた固定ルーティング手法"電子情報通信学会技術研究報告CPSY2002-43. 17-22 (2002)