2003 Fiscal Year Annual Research Report
イレギュラーネットワークにおける適応型ルーティングに関する研究
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02J09965
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鯉渕 道紘 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | イレギュラーネットワーク / 適応型ルーティング / デッドロック除去 / 相互結合網 / システムエリアネットワーク / 並列処理 / PCクラスタ / 性能評価 |
Research Abstract |
本研究の目的は,汎用のパーソナルコンピュータを用いた高性能並列分散システムに用いられる高速な結合網(イレギュラーネットワーク)における適応型ルーティング技術の開発である. 本年度は,まず、適応型ルーティングの性能に大きく影響を与えるトポロジについて研究を行った。既存のトポロジの研究では、スイッチに接続されているホスト数により直接網と間接網に分け、別々に議論されることが多かった。しかし、イレギュラーネットワークでは両者の形態を取ることが可能である。そこで、本研究ではシミュレーション、64台の実PCを用いたクラスタであるRHiNET-2クラスタを用いて評価を行い、それぞれの特徴と有効性を徹底的に検証した。その結果、メッシュ、トーラスなどの直接網が多くの場合、間接網に比べて高スループット、低レイテンシであることがわかった. 次に,これらの結果をもとに,高性能な直接網での使用を念頭においたデッドロックフリールーティングであるDLルーティングを提案した。DLルーティングは,仮想チャネルなどのネットワーク資源が豊富にある場合,デッドロックフリーを満たしつつ最短経路を取ることができる利点を持つ.シミュレーションによる評価の結果、DLルーティングはイレギュラーネットワークで頻繁に用いられているup*/down*ルーティングに比べ最大266%の劇的な性能向上を達成した。今後は,既存の他のルーティングアルゴリズムとの比較を通してDLルーティングの特性を調べ、実PCクラスタにおいて稼動させる予定である.今年度,主な研究成果は以上の2点であり,十分満足のいく結果であるため,国内学会,国際学会,論文誌等で発表を行い,高い評価を得ることができた.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 鯉渕道紘: "RHiNET-2クラスタを用いたルーティングアルゴリズムの実機評価"電子情報通信学会技術研究報告CPSY2003-13. 43-48 (2003)
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[Publications] Michihiro Koibuchi: "Descending Layers Routing : A Deadlock-Free Deterministic Routing using Virtual Channels in System Area Networks with Irregular Topologies"the International Conference on Parallel Processing (ICPP). 527-536 (2003)
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[Publications] Michihiro Koibuchi: "Performance Evaluation of Routing Algorithms in RHiNET-2 cluster"IEEE International Conference on Cluster Computing. 395-402 (2003)