2002 Fiscal Year Annual Research Report
ras抑制因子SproutyとSPREDの機能解析
Project/Area Number |
02J10217
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
近藤 周 総合研究大学院大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ショウジョウバエ / ras |
Research Abstract |
Spredは哺乳類培養細胞系においてras抑制因子として単離されたタンパク質である。私はこの遺伝子のショウジョウバエホモログの解析を行っている。これまでに行ったことは以下のとおりである。 1)Spred遺伝子を欠損した変異体ショウジョウバエを作成した。ショウジョウバエspred変異体はhomozygous viableでこれまでのところ異常は見つかっていない。Spred-/-の状態で、rasやras抑制因子のSproutyを1コピー欠損している(+/-)ハエも作成したが、それにおいても異常は見られなかった。 2)Spred遺伝子を過剰発現するハエを作成した。 Spredを発生途中の複眼で強制発現させると、それ単独では何も異常は見られなかった。しかし、Sproutyとともに発現させるとその表現型を強め、活性型EGF受容体とともに発現させるとその表現型を弱めるので、弱いながらもSpredはras抑制因子として機能することがわかった。 また、神経全体で発現させると行動異常が生じるので、神経活動に対して何らかの役割を持っている可能性が示唆された。 3)ショウジョウバエSpredタンパク質に対するポリクローナル抗体を作成した。この抗体は胚、及び成虫元基において、報告されているエンハンサートラップラインの発現パターンと同じパターンに染めることができた。光受容ニューロンにおいては、頂端部と軸索が強く染まった。 4)ショウジョウバエS2細胞において、Spredの機能を調べた。SpredはS2細胞においては膜部位によく局在していた。elk1-GAL4システムを用いてras-MAPKの出力を測ったところ、S2細胞におけるSpredの強制発現はrasを抑制した。この活性はN末のEVH1ドメインを削ると完全に消失した。
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