2003 Fiscal Year Annual Research Report
卵母細胞の成熟に対するインヒビンファミリーの翻約後修飾の役割の解明
Project/Area Number |
02J20029
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
大沼 克彦 農業生物資源研究所, 生殖質保全研究チーム・遺伝資源研究グループ, 特別研究員PD
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Keywords | インヒビン / ブタ / 精巣 / 卵巣 / タンパク質分解酵素 / 性成熟 / タンパク質精製 |
Research Abstract |
インヒビンには、α鎖と2つのβ鎖(βAとβB)のサブユニットによって、インヒビンAとBの2つのタイプが存在する。またインヒビンは分子量10万の前駆体がタンパク質分解酵素によって4.5万、3万のタンパク質をとり得ると考えられている。このインヒビンは、性腺の発達に重要な役割を果たすと考えられることから、性成熟に伴うインヒビン生産量および分子量の変化を解析した。試料には1、2、および12ヶ月齢のブタの精巣を使用した。インヒビンAおよびBの測定は、インヒビンAおよびBに特異的なサンドイッチ法で行った。その結果、ブタの精巣ではインヒビンAおよびBはともに産生され、その産生量は性成熟に伴って低下することが明らかになった。さらに性成熟に伴うインヒビンAとBの分子量の変化を明らかにするために、インヒビンの精製を行った。精製には、ウシのインヒビンα鎖に対する抗体を使用した、アフィニティークロマトグラフィー、SDS-PAGEによるタンパク質の分離と溶出、および逆相クロマトグラフィーで行った。その結果、1ヶ月齢の精巣では分子量3万の成熟型に加えて、分子量10万および4.5万の前駆体が大量に存在した。一方2ヶ月齢と12ヶ月齢では、成熟型のみが存在した。このような、性成熟に伴う分子量のパターンの変化は、タンパク質分解酵素の発現に差異があるものと推察された。現在はそれぞれの月齢の精巣に発現しているタンパク質分解酵素の発現量を明らかにするための測定系の開発を行っている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Ohnuma, K.Ito, J.Takahashi, Y.Nambo, Y-I Miyake: "Partial purification of mare early pregnancy factor"American Journal of Reproductive Immunology. 51. 95-101 (2004)
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[Publications] T.Mayanagi, R.Kurosawa, K.Ohnuma, A.Ueyama, K.Ito, J.Takahashi: "Purification of mouse primordial germ cells by Nycodenz"Reproduction. 125. 667-675 (2003)