2003 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖関連新規プローブの開発による生体機能の解明と制御
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02J73002
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
若尾 雅広 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | プロスタサイクリン / IP_1受容体 / イロプロスト / PET / メチル化 / 高速反応 / Stille反応 / アセチレン |
Research Abstract |
本研究指導者である鈴木らのグループではこれまでに、陽電子放射断層画像撮影法(PET法)による生体内分子イメージングを目指して、sp^2/sp^3炭素間のStille型高速クロスカップリング反応の開発に成功している。本研究代表者は上記研究の発展的課題としてsp/sp^3炭素間のStille型高速クロスカップリング反応の開発に着手し、昨年度までにその最適条件を見出すことに成功した。本反応の開発によりアセチレン末端部への高速メチル化反応が可能となり、[^<11>C]ヨウ化メチルの活用により種々の該当化合物の^<11>C-含有PETトレーサー化を可能なものにした。本反応を基盤に、従来からよく知られている末梢組織に発現するプロスタサイクリン(PGI_2)受容体(IP_1)の脳内および末梢組織でのPET画像化を目指し、IP_1特異的PGI_2人工類縁体であり、アセチレン末端メチル基構造を有するイロプロストの^<11>C標識体の合成を目指した。実際にPETトレーサー前駆体となるアルキニルスズ化合物を合成し、これに対して、非放射条件下、上記反応条件の適用を試みた結果、目的とするイロプロストメチルエステルを収率良く合成することに成功している。現在、実際のPETトレーサー合成およびそれを活用したラットやサル、さらにはヒトIP_1の分子イメージングを目指した研究が進行中である。そのほかにも本研究では、各種酸素宮能基化されたアルキニルスズ化合物を合成し、上記反応の適用範囲の検証を行った。その結果、水酸基、エーテル、エステルなどの酸素官能基を分子内に有する基質でも上記反応条件を用いることにより高収率で目的のメチル化生成物を与える事がわかった。実際、抗ウイルス作用や抗癌作用を示すことが知られている核酸やステロイド骨格を分子内に有する化合物の合成に本反応を適用してみたところ、いずれの場合にも収率良く高速メチル化反応が進行した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Hosoya: "Rapid methylation of terminal acetylenes by the Stille coupling of methyl iodide with alkynyltributylstannanes : a general protocol potentially useful for the synthesis of short-lived ^<11>CH_3-labeled PET tracers with a 1-propynyl group."Org.Biomol.Chem.. 2・1. 24-27 (2004)
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[Publications] KA.Ahrendt: "Identification of potent and broad-spectrum antibiotics from SAR studies of a synthetic vancomycin analogue."Bioorg.Med.Chem.Lett.. 13・10. 1683-1686 (2003)