2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J00150
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
樋口 桂 筑波大学, 臨床医学系, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 医学教育 / 視覚障害者教育 / 解剖学教育 / 蝕図(触察図) / ポリグラフ / 点図ディスプレイ(ピンディスプレイ) / 人体の骨格 / 心電図 |
Research Abstract |
本研究では視覚障害者の医学教育に関して、人体解剖イメージ、およびポリグラフで示される生体現象の経時的変化を理解させるモデル教材作成を目的とする。本年度の研究実績は、以下の2点である。 1.触図による解剖図譜作成に関する研究。 視覚障害者にも効果的に人体構造を理解させるため、脊柱および上肢の骨格標本や模型をもとに、形態学的要点を単純にデフォルメした図を作成し、触ってわかる解剖図として立体印刷した。触図は立体コピー機を使ってカプセルペーパに複写され、筑波大学の盲学生に試用した。その後アンケート調査によって改良点等を評価し、実用的な教材として、桜雲会出版部によって出版公表した。 また、触図要素の選定に関する事前調査として、全国の各盲教育機関における触図の作成状況、教員の触図教材に対す意識をアンケートで調査した。現在、同調査の結果を集計中であり、次年度以降に公表を予定する。 2.点図ディスプレイを用いた生体現象の経時的変化を触図化する試み。 医学教育で扱う生理学的現象の必須項目である心電図で、波形や経時変化を盲用教材にすべくPCソフトの作成を行った。KGS製点図ディスプレイ(DV-1)はPCモニタ画面の画素ドットをピンの上下運動で表現し、そのまま即時的に点図を描画する装置である。本機を借用し、インタークロス社とともに心電図データをDV-1で表示する基本ソフトを開発した。これはPCに記録された波形情報の中から任意の部分を瞬時にDV-1に転送し、即時的にグラフ変化が動きをもった触図になるソフトである。心電図をこのソフトからDV-1に出力して、筑波大学の盲学生に実験的に試用し、どうすればわかりやすく表示させられるかという予備調査を試みた。この結果、心電図グラフの時間軸を引き伸ばすことで、ディスプレイを触って心電図波形のPQRSTの各波形を選別することができ、また、波形をスクロールさせる速さも触ってわかる速度に調節できるように作成した。
|
Research Products
(2 results)