2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J04483
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
守田 知代 京都大学, 教育学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 色知覚 / 視覚野 / マッカロー効果 / 特徴統合 / 視覚記憶 |
Research Abstract |
マッカロー効果と呼ばれる色錯覚を感じているときに、左側第四次視覚野(V4)のなかでも前方に位置するV4αの活動を伴うことをすでに示したが、ここで得られた色感覚に対する左半球優位性について更なる検討を加えた。初期の視覚野(第一次視覚野)では、片半球は、反対側の視野からの情報処理を行っているため、半球優位性は存在していないと考えられている。しかし、第四次視覚野などの高次視覚野では、半球間の相互線維結合が存在しており、半球優位性の存在も予想される。現在、色知覚に対する高次視覚野の左右半球優位性を検証するために、半視野瞬間刺激提示法を用いた心理実験を実施しているが、今のところ右半球に呈示した方がより強い錯覚の色を知覚でき、半球優位性を裏付ける結果が期待できる。刺激の呈示位置や潜時による色錯覚の変化、また実際の色刺激を呈示した場合との比較も考慮した実験を実施している。 上記の実験とは別に、色情報の高次処理過程に関する心理学実験を実施した。視覚処理において、ある特定の空間的位置に対する注意によって、物体の各特徴の統合が行われていることを示すモデルとして特徴統合理論が提案されている(Treisman and Gelade,1980)。本研究では、視覚の記憶表象内で、空間的な情報が特徴統合に果たす役割について検討を行った。色、形状、位置を組み合わせた5つの物体の記憶再認課題を行った。形状の再認課題および色の再認課題に関して、位置の手がかりを伴う場合に、その他の手がかりに比べて再認成績が高かった。これらの結果より、視覚の記憶において空間的な位置に基づいて色や形状などの物体特徴が表象されている可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Morita T., Kochiyama T., Okada T., Yonekura Y., Matsumura M., Sadato N.: "The neural substrates of conscious color perception demonstrated using fMRI."Neuroimage. (印刷中).