2003 Fiscal Year Annual Research Report
正倉院文書研究支援システムの研究開発と同システムを用いた研究
Project/Area Number |
03J05946
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
後藤 真 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 正倉院文書 / XML / XSLT / データベース / 日本古代史 / アーカイブス / 歴史史料の情報化 |
Research Abstract |
正倉院文書研究支援システムにかかわり、データベースの理論的枠組みを整えた。テキストデータに関してはXML/XSLTを用い、文書の構造を明記させ、様々な情報を併記させると同時に、簡便な検索を可能とするシステムとなっている。その一方で、画像データと本文データをシンクロさせることにより、マークアップしてしまったことにより、落ちてしまった記述や、文字化されない部分に関しても参照することを可能とした。また、目録情報を参照し、断簡での再配列をコンピュータが行うことにより、断簡単位での文書理解を可能とすることにより、正倉院文書をより使いやすい形で提供し、正倉院文書の伝来形態を明らかにするという眼目のもと、同史料の価値をもいっそう高くしたものである。 上記の成果のうち、とくにXML/XSLTに関する考察と、このシステムに後に接続する予定である写経所文書研究会データベースの概要に関しては、『正倉院文書研究』第9号に掲載した。また、断簡単位での処理概念に関しては、Pacific Neighborhood Consortium Annual Conference And Joint Meetings 2003(The Princess Maha Chakri Sirindhorn Anthropology Center(SAC), Bangkok, Thailand)にて報告した。 また、明治期の目録に関しても情報をより詳細にデータベース化するべく、国立公文書館、国文学研究資料館史料館での調査を重ねている。現在は、小杉本と言われる、小杉榲邨の徴古雑抄、および、国立公文書館内閣文庫所蔵の明治初年に作成されたとされている目録の調査を進めた。 これらの成果により、正倉院文書の研究に関わる資料がより整備されたのみでなく、正倉院女書の文書構造と、伝来過程を明らかにする素地の一つが出来上がったものと考えている。
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Research Products
(1 results)