2003 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクスの手法を用いたプロリン異性化酵素(PPIase)の機能解析
Project/Area Number |
03J06057
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
藤山 沙理 東京農工大学, 大学院・連合農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | プロテオミクス / プロリン異性化酵素 / リボソーム生合成 |
Research Abstract |
平成15年度は、プロリン異性化酵素の中でも特にPar14に着目し、細胞内におけるPar14とリボソーム前駆体との機能的関連性を明らかにする解析を重点的に行った。 まず始めに、ショ糖密度勾配遠心法によるリボソーム分画の系を用いた解析を行った結果、内在性のPar14は核内のリボソーム前駆体と結合することを明らかにした。 さらに、抗Par14抗体による検出と質量分析を組み合わせた翻訳後修飾解析を行った結果、内在性Par14はリン酸化や多量体化など翻訳後修飾の状態の違いによって、異なる種類のリボソーム前駆体と結合することを示した。現在はPar14内の詳細な修飾の部位の解析を行っている。 次に、細胞内においてPar14遺伝子のノックダウンを行い、細胞の表現系にどのような変化が見られるかを解析した。まず、short hairpin RNA (shRNA)発現系ベクターを用いたノックダウン実験では、細胞種やトランスフェクション試薬の検討などを行ったが、変化が見られなかった。そこで次に、合成small interfering RNA (siRNA)を用いたノックダウンの検討を行った。その結果、有意に発現量が低下する事を観察したので、現在このPar14タンパク質の発現量が低下した細胞における表現型変化の解析(ショ糖密度勾配遠心法、免疫蛍光染色、等)を行っている。 同時に、Par14の過剰発現を行うためのベクターも構築し、異所的にPar14タンパク質を過剰発現するための条件を検討中である。これら、Par14タンパク質のノックダウンと過剰発現による細胞の表現型の差を解析することにより、これまでのin vitroにおける実験結果をサポートするような、細胞内でのPar14の機能に関する知見が得られると期待している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takahashi N, Yanagida M, Fujiyama S, Hayano T, Isobe T: "Proteomic snapshot analyses of preribosomal ribonucleoprotein complexes formed at various stages of ribosome biogenesis in yeast and mammalian cells."Mass Spectrometry Reviews. Vol.22 No.5. 287-317 (2003)
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[Publications] 藤山沙理, 高橋信弘: "決定版!プロテオーム解析マニュアル (タンパク質相互作用解析、アフィニティー交換法 部分)(編/礒辺俊明、高橋信弘)"280 (2004)