2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J06739
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
村石 美佳 (平井 美佳) お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 特別研究員PD
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Keywords | 対人関係 / 文化的表象 / 文化 / 世代 / ジェンダー / 自己と他者の調整 / 状況 |
Research Abstract |
本研究は,対人関係において"どうすることが普通か"と人々が捉えている内容を文化的表象(CRSR)として操作的に定義し,これについて検討することを目的とした.本年度は引き続き,研究計画における研究1(CRSRを明らかにする)について,異なる方法を用いた調査を実施した.また,研究2の予備的調査として,CRSRと実際の行動との関連についても検討した. 調査1 (「一般の日本人」についての文化的表象): 「一般の日本人」についての文化的表象における世代やジェンダーによる差異を検討するために,大学生と高齢者の男女を対象とし(要因:2(世代)×2(ジェンダー)),平井(1999)の「日本人らしさ」の項目の中から対人関係に関わる項目を用いた調査を実施した.その結果,「一般の日本人」についての評定値について,世代やジェンダーによる差異はほとんど見られなかった. 調査2 (文化的表象の投影法的検討): 大学生の女子を対象に,「ごく普通の,一般的な大学生のA子さん」という人物についてイメージしてもらい,このA子さんについて,自他葛藤場面における行動について,項目を段階評定する方法を用いて回答を求めた.また,回答者自身だったらどうするかにういても回答を求めた.その結果,この投影された表象と,自己の選択する行動における自己を優先させる程度にはほとんど差がなく,2つの評定は区別しにくいことが明らかとなった. 調査3 (大学生における「普通」と「自分」): 大学生の女子を対象に,自他葛藤場面において「どうすることが普通か」について自由記述を求め,その後で,この回答について「自分なら違う行動を取る」と思う場面を選択させた.その結果,問題の深刻度が高いほど「普通と自分とは異なる行動を取る」として選択される割合が高く,CRSRと実際の行動との関連はある程度状況依存的であることが示唆された.
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