2003 Fiscal Year Annual Research Report
高分子重合法による機能性微粒子合成のメカノケミカル的アプローチ
Project/Area Number |
03J06923
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐伯 周 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | メカノケミストリー / ソノケミストリー / 超音波 / シリコンアルコキシド重合 / 単分散微粒子 / 凝集 |
Research Abstract |
シリコンアルコキシド重合法におけるSiO_2単分散微粒子の合成は、(1)粒子核生成段階、(2)粒子凝集段階、(3)粒子成長段階の3段階を経て行われ、その粒子径は初期生成核の個数や凝集の程度に大きく影響を受ける。本研究では超音波照射によるSiO_2単分散微粒子の合成を試み、メカノケミカル処理の影響とそのメカニズムについて詳しく考察した。 超照射実験に先立ち、先ず予備実験としてSiO_2粒子の合成における攪拌の影響を考察した。粒子径に対する攪拌速度の影響は、粒子径が小さいほど、その効果は小さく、生成粒子が300nm程度の条件では、生成粒子の粒子径は攪拌速度に依存しない。これは、この程度の大きさの粒子の挙動はブラウン運動が支配的であり、溶液の攪拌状態が粒子衝突などの粒子成長に直結する運動に影響しにくいためであると考えられる。これに比べて、溶液のイオン強度を大きくして粒子の凝集を促進させた合成条件では、粒子は500nm以上に成長し、最終的な生成粒子の大きさは、溶液の攪拌状態に影響され、生成粒子が大きい程、その効果は大である。これは、粒子が大きくなることで粒子の運動に場の流れの影響が無視できなくなり、粒子同士の衝突等の粒子成長に関係する運動が反応溶液の攪拌状態に依存するようになるためであると考えられる。しかし、粒子径が大きくなり1μmに近づくにつれて粒子間凝集が激しくなり、1μm以上の単分散粒子を合成することはできなかった。 次に攪拌に加えて超音波を照射してSiO_2粒子の合成した場合、攪拌のみの条件に比べて粒子の凝集が促進された。従来法では電解質により粒子凝集を促進させていたため、反応の各段階において粒子合成を調整することは不可能であったが、この結果より超音波照射を調整することで、合成の各段階での自在な粒子間凝集制御が可能であると予想され、更なる大粒径・高単分散粒子の作製が期待できる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shu Saeki: "Co-grinding LiCoO_2 with PVC and Water Leaching of Metal Chlorides Formed in Ground Product"International Journal of Material Processing. (In press). (2004)
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[Publications] Shu Saeki: "Mechanochemical Chlorination of Rare Metals in Wastes by Grinding with PVC"The 7^<th> International Symposium on East Asian Resources Recycling Technology, Taina, Taiwan, 2003 11 10-14. 171-174 (2003)