2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J09924
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
志賀 葉月 北海道大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アストロサイト / エキソサイトーシス / SNAREタンパク質 / グルタミン酸 / シナプス伝達 |
Research Abstract |
最近になって,グリア細胞であるアストロサイトが神経伝達物質を放出することによってニューロンのシナプス活動やシナプス伝達を直接調節していることが示唆され始めている。また,エキソサイトーシスによって神経伝達物質,特に興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸が放出されることも示唆されている。しかし,アストロサイトがシナプス伝達を直接調節していることは示唆されているものの,そのような現象を証明した報告はまだない。そこで,本研究ではまず,アストロサイトのエキソサイトーシスによるグルタミン酸放出機構について,生化学的解析を行った。培養系としては,胎生18日のラット大脳皮質から得たアストロサイトだけからなる培養系を用いた。また,細胞内セカンドメッセンジャーであるサイクリックAMP (cAMP)のアナログとしてジブチリルcAMPを用い,アストロサイトを分化させた。未分化アストロサイトと分化したアストロサイトについて,エキソサイトーシスに関与するタンパク質(SNAREタンパク質)であるシナプトフィジンの発現を免疫細胞化学法によって解析した。その結果,未分化アストロサイトでは発現が見られなかったが,分化したアストロサイトではシナプトフィジンの発現がわずかに確認された。現在,ウエスタンブロッティング法による解析も行っている。また,他のSNAREタンパク質(シンタキシン)の発現についても同様の解析を進めている。 また,アストロサイトがグルタミン酸に応答できることを確認するために,グルタミン酸受容体の発現について,免疫細胞化学法によって解析した。その結果,AMPA型グルタミン酸受容体のサブユニットであるGluR2の発現が,未分化アストロサイトおよび分化したアストロサイトで確認された。
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