2003 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞と免疫細胞の相互作用におけるテレンセファリンの機能解析
Project/Area Number |
03J11800
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 さなえ 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 細胞接着 / 樹状突起の形態変化 / グルタミン酸 |
Research Abstract |
神経細胞と免疫細胞の相互作用を調べるため、マウス海馬の神経細胞とマウス脾臓由来のリンパ球をサイトカイン(IL-2)で活性化させたLAK細胞を共培養する系を用いた。免疫細胞化学染色法やタイムラプスの顕微鏡観察により、LAK細胞は神経細胞と非常に強い接着構造を形成すること、また一方で一時的な接着構造を形成しながら神経細胞の突起上を動き回ることを見出した。その際神経細胞の突起がLAK細胞により引っ張られたり引きちぎられたりするような、物理的な形態変化を起こすことがはっきりと観察された。さらに2.5時間の共培養では14%ほどの神経細胞の樹状突起に、ビーズ状の構造が形成されたり微細な突起が著しく減少したりする形態変化が起こることを発見した。これらの形態変化は、神経細胞とLAK細胞が直接接着しなくても、LAK細胞の培養上清だけで起こることから、原因はLAK細胞が放出する水溶性の因子であることが予想された。また、これらの形態変化がグルタミン酸受容体のアンタゴニストを加えると起こらなくなることから、因子の一つがグルタミン酸で訪ることが示唆され、実際測定によりそれを明らかにした。こうして、活性化した免疫細胞は神経細胞の樹状突起の形態を物理的、化学的に変化させることを示した。 これらの結果は2003年第6回IBRO World Congress(プラハ)と2003年第26回日本神経科学大会(名古屋)において、ポスター発表の形式で発表した。また、これらの結果を論文にまとめJournal of Neuroimmunologyに投稿し、現在in press中である。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] 長谷川 さなえ, 山口 正洋, 長尾 伯, 吉原 良浩, 森 憲作: "Activated natural killer cells adhere to cultured hippocampal neurons and affect the dendritic morphology"Journal of Neuroimmunology.