2003 Fiscal Year Annual Research Report
ペルオキシソーム形成と制御におけるPex1p、Pex6p、Pex26pの機能解析
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03J50771
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
後藤 奈緒美 (松元 奈緒美) 九州大学, 大学院・理学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ペルオキシソーム / ペルオキシソーム欠損症 / 病因遺伝子 / オルガネラ形成 / AAA ATPase |
Research Abstract |
ペルオキシソームは種々の重要な生理機能を担っている細胞内小器官であり、その形成障害はペルオキシソーム欠損症と呼ばれる重篤な先天性疾患として知られている。ペルオキシソーム欠損症は遺伝学的に12の相補性群に分類され、そのうち11の群に関しては原因遺伝子が決定されたが、第8群の病因遺伝子だけが同定されていなかった。そこで私達は第8群に属するCHO変異細胞ZP167を用いて機能相補スクリーニングを行った。その結果、第8群の相補遺伝子を単離することに成功し、このことにより、現在までに報告されているペルオキシソーム欠損症の全病因遺伝子同定という、重要な目的を達成することができた。 この遺伝子産物は、これまでに報告されているペルオキシソーム形成因子(ペルオキシン)と相同性がないことから、新規なペルオキシンとしてPex26p(遺伝子:PEX26)と名付けた。生化学的・形態学的解析より、Pex26pはペルオキシソームに局在する2型の膜タンパク質であり、AAA ATPase familyに属するペルオキシン、Pex1pとPex6pがペルオキシソームへ局在することに必要な因子であることを明らかにした。その結合、局在はPex6p依存的であることもわかった。Pex1p、Pex6pの機能も不明なことから、Pex26pの単離は、ペルオキシソーム形成におけるこれらの因子の機能を解析する上でも重要であったと考える。 また、第8群に属する患者由来線維芽細胞の解析により、患者のPEX26には全て変異が見いだされたが、特にN末側の領域に変異が多いことから、Pex26pの機能にはN末側が重要であることが示唆された。第8群には臨床病型が3種報告されているが、それはPEX26の変異の違いによることも明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Matsumoto N.: "Mutations in Novel Peroxin Gene PEX26 That Cause Peroxisome Biogenesis Disorders of Complementaion Group 8 Provide a Genotype-Phenotype Correlation"American Journal of Human Genetics. 73(2). 233-246 (2003)
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[Publications] Matsumoto N.: "The pathogenic peroxin Pex26p recruits the Pex1p-Pex6p complexes to peroxisomes"Nature Cell Biology. 5(5). 454-460 (2003)