2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J51071
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
加藤 恵美 早稲田大学, 政治学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 多文化共生 / 学校教育 / グローバリゼーション / 外国人 / ナショナリズム |
Research Abstract |
平成15年度の研究成果は、『グローバリゼーションの時代の学校教育の役割:日英比較』と題する博士論文の作成のための、研究枠組みの決定、情報収集である。この成果をもとに、平成16年度には、学会発表、論文発表などを積極的に行うことを予定している。日本国内の研究においては、学校教育という研究対象は教育学的なものと認識されており、政治学的な分析が極めて少ない。また、学校教育の政治学的分析は、国家のイデオロギー装置としての学校教育の役割に射程が限定されることが多く、グローバリゼーションという新しい時代の局面の中で、多元的に定義された学校教育の役割を論じ切れていない。博士論文は学際的研究としての性格を有し、現代的な学校教育の役割をより性格に理解することを目的とする。平成15年度の研究成果は次の通である。 1 国民国家の構築と学校教育 アーネスト・ゲルナー、アントニー・スミス、エリック・ホブズボームなどのナショナリズム論や、ピエール・ノラの学校教育と国民の記憶に関する議論などを参考に、国民国家の構築に学校教育が果たす役割を理解した。この研究結果を踏まえ、平成16年度には、近代的な学校教育の役割が、グローバリゼーションの時代にどのように変容しうるのか、理論的な整理をすすめることとする。 2 地域社会と学校教育 政治空間が多元化するグローバリゼーションの時代の特徴を踏まえ、地域社会における学校教育の役割を発見するためのケーススタディの準備を行った。具体的には、愛知県豊田市、静岡県浜松市、神奈川県川崎市の外国籍児童・生徒を対象とした学校教育の内容に関する情報を収集した。平成15年度のパイロットスタディの結果を踏まえ、平成16年度は本格的な現地調査を実施すると同時に、イギリスの地域社会のケーススタディも行う。
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