2003 Fiscal Year Annual Research Report
強相関係物質のバルク敏感分光測定法による電子構造の研究
Project/Area Number |
03J52751
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
笠井 修一 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 高温超電導体 / 強相関系 / 光電子分光 / 角度分解光電子分光 / フェルミ面 |
Research Abstract |
(1)La_<2-x>Sr_xCuO_<4(>LSCO)(x=0.16)のバルク敏感角度分解光電子分光(ARPES) LSCO(x=0.16)において励起エネルギー500eVを用いたバルク敏感角度分解光電子分光を行った。その結果x=0.16ではx=0.23とx=0.14と同形状で大きさが違う電子的なフェルミ面が観測され、以前の実験結果との整合性が示さた。over〜optimalドープのLSCOではフェルミ液体として記述できるようなフェルミ面を取っているのに対し、x=0.1(underドープ)でストライプの影響を受けた様なフェルミ面が観測されることがわかった。 (2)高結合エネルギー側の電子状態の研究 結合エネルギー1eV付近にこれまで低エネルギーARPESでは観測されていない肩構造が観測された。これは角度積分光電子分光の光電子放出角度依存によりバルクを反映した電子状態だとわかった。かつARPESで見られるこの構造の波数依存性とバンド計算とのひかくによりこの高結合エネルギー則の肩構造がCu3d_<3z>2_<-r>2-02P_zの反結合状態に対応することがわかった。この結果は表面電子状態と比較してバルク電子状態では三次元性が強く現れていることを示唆する。 (1)のフェルミ準位近傍の電子状態は低エネルギーARPESの結果といくつかの違いが見られている。これらが(2)で示された様な表面とバルクの電子状態の次元性の違いに関連してる可能性があり、今後追及していきたい。(1)を日本物理学会秋季大会、(2)を放射光学会にて発表した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] J.-S.Kang: "Resonant photoemission spectroscopy study of impurity-induced melting in Cr- and Ru-doped Nd_<1/2> A_<1/2> MnO_3"PHYSICAL REVIEW B. 68. 0124101-0124104 (2003)
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[Publications] A.Higashiya: "Resonant inelastic X-ray scattering of SrCuO_2"Solid State Communications. 130. 7-11 (2004)