2004 Fiscal Year Annual Research Report
新たなる系外惑星の検出と汎惑星形成論へ向けた観測的研究
Project/Area Number |
03J52791
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
浦川 聖太郎 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 系外惑星 / トランジット法 / 惑星形成 / すばる望遠鏡 |
Research Abstract |
現在の惑星系形成学では、太陽系以外の惑星系にも適用できる、汎惑星形成論を作り上げることが大きなテーマとなっている。このため、観測により太陽系外の惑星を検出し、その惑星の質量、軌道、半径といった物理量を知ることが重要である。本研究では、トランジット法という、惑星が恒星を掩蔽することで起る、恒星の数%の減光を検出する方法で系外惑星の発見を目指している。本年度は、これまでに構築した解析アルゴリズムを用い、2002年9月にすばる望遠鏡で撮像されたおよそ10万個の恒星のデータ解析を行った。その結果、2.8%の減光を起こす天体を発見した。減光現象が一度しか検出できなかったため、この減光が、恒星を公転する天体による掩蔽現象によるものか決定するには至らなかった。しかしながら、さらに詳しい解析の結果、この減光が恒星を公転する天体によるものと仮定した場合、公転する天体の大きさは1.4〜1.5木星半径、軌道長半径は0.23AU、軌道傾斜角は88°であることが分かった。これは、これまでに発見されている系外惑星と同程度である。また、構築したアルゴリズムがトランジット法による系外惑星検出に適したものであると確認ができた。これらの結果について、2004年地球惑星科学合同大会、2004年秋季天文学会、2004年惑星学会、2004ポスト西宮・湯川シンポジューム、2005Winter Conference on Astrophysicsで発表を行った。さらに、国立天文台木曽観測所と共同で新たな観測計画を立案した。この観測は2005年5月の試験観測の後、9月より本観測が始まる予定になっている。
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