2004 Fiscal Year Annual Research Report
運動療法に取り組む虚血性心疾患患者を対象とした患者主導の援助プログラムの開発
Project/Area Number |
03J53131
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
山田 緑 聖路加看護大学, 看護学研究科, 特別研究員
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Keywords | People-Centered Care / 市民主導型の健康生成 / 心臓リハビリテーション / 運動療法 / 虚血性心疾患患者 / 健康増進 / 主体的な取り組み / フィールドワーク |
Research Abstract |
本研究は、虚血性心疾患患者の長期的な運動への取り組みを促す援助モデルを構築することを目的とし、人々が主体的に健康を生み出し増進するという、市民主導型の健康生成(People-centered Care)に即した看護について検討しようとするものである。2年目である今年度は、慢性期にある虚血性心疾患患者における運動の継続に影響する要因を明らかにすることを目的とし、心疾患リハビリテーション施設の認定を受け、回復期の運動療法プログラムを実施している病院を選定し、研究参加への同意が得られた者への面接調査を実施した。データは、Greenら(1987)のPrecede-Proceed Modelを基盤とした3つの要因(前提・強化・実現要因)に沿って質的な内容分析を行った。運動の継続に影響する要因として、前提要因では、対象者の運動に関する理解や目標、運動の効果についての認識など、実現要因では、運動の実行しやすさ(運動環境)、運動と身体を調整する技能など、強化要因では、運動に対する周囲の反応・支援、運動によって起こる身体の状態から生じた感覚、運動に伴う充足感などが抽出された。慢性期にある虚血性心疾患患者は、運動するという体験を通して理解したことを自分のものとして、その体験を積み重ねることで、日常生活の中にうまく運動を根づかせていると思われた。また、そのような運動を継続することによって、運動に対して親しみの気持ちをもち、それが違和感なく体になじんでいたと推察される。以上のことから、虚血性心疾患患者が運動を継続するためには、新たに獲得された行動や生活習慣を継続することに大きく影響するであろう「強化要因」が重要であると考えられた。今後は、今回の調査結果と文献的考察をもとに援助モデルの試案を作成し、来年度の調査でモデルの検証を行う予定である。
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Research Products
(1 results)