2003 Fiscal Year Annual Research Report
小児気管支喘息感受性遺伝子の同定及び気管支喘息発症の機序の解明
Project/Area Number |
03J61574
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
右田 王介 筑波大学, 人間総合科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 小児気管支喘息 / 疾患感受性遺伝子 / 家系解析 |
Research Abstract |
日本人の小児気管支喘息候補領域として報告のある5番染色体、6番染色体に存在する遺伝子について遺伝子の転写領域と翻訳調節領域に存在する変異検索と家系解析を行った。5番染色体ADRB2遺伝子は、Arg16Gly、Gln27Glu遺伝子変異について多数のグループから気管支喘息の感受性ないし気管支喘息の症状を修飾するとして報告がある。日本人集団のサンプルについて、上記に加え5'-LC Arg19Cys, Val34Met, Thr164Ileをふくめた全てのmissense遺伝子変異のタイピングし家系解析を行ったが、いずれも気管支喘息感受性について関連を認めなかった。とくにヒト集団での頻度が高い、上記2つの遺伝子変異についてメタアナリシスを行い、Arg16Gly、Gln27Gluのいずれも有意な関連が認められないことを明らかにした(International Archives of Allergy and Immunology,2004,in press)。6番染色体では、LTA遺伝子のプロモーター領域-753C/T変異と気管支喘息発症との有意な関連を同定した。気管支喘息の類縁疾患である花粉症にとの関連と機能解析について検討を加え、投稿準備中である。 気管支喘息感受性は複数の遺伝子変異が相互作用して発症に影響を与えることが予想される。これを評価するため、伝達不平衡テストを応用した方法と用いて、6番染色体候補領域にあるTNFのハプロタイプと5番染色体候補領域とIL13、FLJ20546の遺伝子変異の両者が同時に伝達される際に気管支喘息発症のリスクが高まることを明らかにした。(第48回日本人類遺伝学会 口頭発表)
|
Research Products
(1 results)