1993 Fiscal Year Annual Research Report
伊奈学園総合高等学校をモデルとした総合選択制の有効性に関する実証的研究
Project/Area Number |
04301094
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐古 順彦 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (10000069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
耳塚 寛明 お茶の水女子大学, 文教育学部, 助教授 (40143333)
池田 輝政 大学入試センター研究開発部, 助教授 (90117060)
牟田 博光 東京工業大学, 工学部, 教授 (70090925)
藤岡 完治 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (90030048)
野嶋 栄一郎 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (20000086)
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Keywords | 高等学校 / 総合制学校 / 学校建築 / 学校規模 / 単位制 / 選択教科 / 進路選択 / 教育情報処理システム |
Research Abstract |
昨年度に続き、伊奈学園をその総合選択制とハウス制(キャンパス・プラン:大規模校をいくつかの小規模校の部分-ハウスに分割する計画)を中心として多面的に評価するいくつかの研究を実施した。【.encircled1.】教科教室制の併用と大規模な学校建築による教師の空間利用の調査から教師の移動や空間利用への制限や長距離移動の過大評価を確認した。また、学園全体、選択教科、ハウス、HRの各場面での教師・生徒関係の教師評定と生徒評定から、大規模校の部分の匿名性と小規模校の部分の親密性の均衡の重要性を指摘した。【.encircled2.】生徒の友人関係の調査からHR、選択制、ハウス制の効果を検討した結果、HRの重要性が明らかになった。【.encircled3.】卒業生調査から、教科選択の実態と満足や要求との関連を分析した結果、総合選択のガイドラインである学系や男女の別が異なる効果を有することを見いだし、教科選択の指導の留意点を指摘した。また、卒業後の自己像に関する調査から、学園での自己形成が個人の可能性の実現を志向している反面、シニシズムの傾向を示す結果を得た。【.encircled4.】学校での進路指導の事例調査からは、進学・職業の希望の形成に加えて、現在の高校生活を大切にする指導の重要性を指摘した。【.encircled5.】進路選択に関する他校との比較調査によると、4年制大学進学希望を教育的要求水準とみなして分析した結果、他校のように学力の高低によって要求水準が高低に促進された二極文化する構造がみられず、比較的に高い水準で推移することを見いだした。【.encircled6.】学校経営の財政基盤の分析からは、他校と比較して、建築・設備等の資本的支出は幾分大きめであるが、本務教員あたり生徒数や生徒一人あたり支出、あるいは標準運営費は平均的であるとの結果を得た。【.encircled7.】伊奈学園の教育情報処理システムはその大規模とカリキュラムの個別化に必須のものであるが、主として教務関連、情報教育関連、教科教育関連のシステムの概略と問題点を検討した。
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