1992 Fiscal Year Annual Research Report
孔辺細胞と葉肉細胞における炭酸固定系の比較生化学的研究
Project/Area Number |
04640631
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Research Institution | Seitoku University Junior College |
Principal Investigator |
後藤 潔 聖徳大学短期大学部, 助教授 (30205596)
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Keywords | 孔辺細胞 / 炭酸固定 / ソラマメ / リンゴ酸 / ホスホエノールピンビン酸 / PEPC / カルボキシラーゼ |
Research Abstract |
ソラマメ緑葉の裏面表皮を2段階酵素処理することによって孔辺細胞プロトプラスト(GCP)を単離した。GCPの粗抽出液を使い,孔辺細胞由来のPEPCの活性を測定すると,2mMリンゴ酸によって80-90%阻害され,5mMリンゴ酸存在下では活性が認められなかった。また,5mMグルコース-6-リン酸(G6P)によって200-300%の活性化を受けることが判った。トウモロコシ緑葉の粗抽出液のPEPC活性は,2mMリンゴ酸によって25%阻害,5mMリンゴ酸によって90%阻害,5mM G6Pによって170%活性化を受けた。 市販のトウモロコシPEPCを抗原として兎に抗体を作らせた。Ouchtcrlonyの二重拡散法により沈降線の形成を確認した後,全採血によって血清を採取した。得られた抗血清は,平成4年度の補助金で購入した超低温フリーザーに保存している。スロット・ブロットによる力価の測定では,アルカリフォスファターゼ結合の抗兎IgG抗体を二次抗体として発色反応を行い,5,000倍希釈の抗血清でもトウモロコシPEPCが検出できた。得られた抗血清の力価は高く,以後の実験に充分使えることが判った。孔辺細胞の粗抽出液に抗血清を加えてインキュベートした後,更に,Protcin Aとインキュベートして抗血清を沈殿させ,遠心後の上清のPEPC活性を測ると,抗血清を加えていないものに比べると,活性はおよそ9%にまで低下していた。これによって,抗血清は孔辺細胞由来のPEPCと抗原抗体反応をしていると考えられる
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