1994 Fiscal Year Annual Research Report
ウズラにおける生化学的標識遺伝子のリンケージに関する研究
Project/Area Number |
04660298
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Research Institution | Kyushu Tokai University |
Principal Investigator |
芝田 猛 九州東海大学, 農学部, 教授 (30140958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 恒夫 九州東海大学, 農学部, 教授 (00184218)
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Keywords | リンケージ / アルブミン-GCリンケージ / ウズラ / Gc多型 / PI多型 |
Research Abstract |
ウズラについて電気泳動法により検出される生化学的標識遺伝子の多型を利用し、これらの遺伝子座間のリンケージ関係を明らかにする目的で平成6年度は、次の結果を得た。いままでに鳥類では多型が明らかにされていなかったプロテアーゼインヒビター(PI)について、10%ポリアクリルアミドゲル電気泳動法によりウズラの多型を明らかにした。ウズラのPIは、Pi^A,Pi^BおよびPi^Cの3つの共優性対立遺伝子により支配されていた。用いた集団の遺伝子頻度は、Pi^A=0.525,Pi^B=0.450およびPi^C=0.025であった。また、プレアルブミン(Pre-ALB)は、Lucotte&Kaminski(1975)が報告しているものと同一の変異と考えられたが、本研究では3つの対立遺伝子が検出された。用いた集団のこれらの遺伝子頻度は、Pre-alb^A=0.025,Pre-alb^B=0.275およびPre-alb^C=0.700であった。今までに検討してきたアルブミン、ビタミンD結合タンパク質(Gc)、グルコースフオスフェイトイソメラーゼ(GPI)、フオスフオグルコネイトデハイドロゲナーゼ(PGD)エステラーゼ-D(Es-D)にこの2つの座位を加えた7座位についてリンケージの検討を行った。複数の座位について二重ヘテロ個体と二重ホモ個体を作成し、戻し交配の形式で得た子孫の表現型からかく配偶子の分離比を求め、Mortonの式によりまず任意の組換え価を5%刻みに設定しZ値を求めた。リンケージが予測された座位間についてはさらに任意の組換え価を小刻みに設定し組換え価の推定をした。7座位間でリンケージが予測された座位は、ALBとGc間のみであった。これらの座位間で得られた組換え個体は、雄二重ヘテロ交配で91羽中1羽、雌二重ヘテロ交配で54羽中1羽のみであった。これにより得られた組換え価は、それぞれ0.010±0.004および0.019±0.007であった。両組み合わせを合計した組換え価は、0.014±0.006であった。この組換え価はヒトでの0.023、ウマでの0.009、ウシでの0.015と近似していた。
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