1993 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧症の血管平滑筋細胞膜Ca^<2+>,Na^+ポンプに対するEDLFの作用材
Project/Area Number |
04670558
|
Research Institution | Jikei University |
Principal Investigator |
栗山 哲 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60153384)
|
Keywords | Na,Ca‐pump / 血管平滑筋細胞 / 内皮細胞 / エンドセリン / EDLF / 培養 / 高血圧 |
Research Abstract |
研究概要(当該年度) 高血圧症の病因論の一つとして、血管平滑筋細胞細胞膜の固有のイオン輸送の異常が報告されている。我々の研究室においても過去SHRを用いて培養血管平滑筋細胞膜に固有のNa‐Kポンプ異常等を報告してきた。最近の研究においては血管平滑筋細胞細胞と血管内皮細胞の相互作用に関しての報告が多くみられる様になってきた。血管平滑筋細胞細胞と内皮細胞の相互作用を仲介するのは内皮細胞由来のパラクリンホルモンであるエンドセリン(ET‐1)、EDRFそれにプロスタグラジン等がある。 平成4年度に引き続き本研究においては、1)内皮細胞由来のET‐1の血管平滑筋細胞細胞膜イオン輸送系への影響を検討する事と、2)血管平滑筋細胞-血管内皮細胞の相互作用を同時培養系を開発する事に継続して焦点をあてている。後者に関しては、平成4年度の報告書に記載した事であるが、ET‐1がNa‐Kポンプ、Na‐K cotransport、Na‐H antiportのいずれも亢進させしめる事が明かとなった。さらに、ET‐1は細胞内へのCa influxを刺激する事によって、血管平滑筋細胞内の遊離Ca濃度も上昇させる作用を持つ事も明かとなった。 平成5年度は次のステップとして血管平滑筋細胞と内皮細胞の相互作用を検討するべくco‐cultureの開発に進んだ。しかしながら、この研究テーマに関しては技術的に内皮細胞の系代培養が極めて難しく(具体的にはラット血管内皮細胞は18%FCSにても、容易に系代培養ができない)時間不足のため未だ完遂には至っておらず今後の課題として残った。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 栗山哲他: "動脈中膜平滑筋細胞増殖能に及ぼすbeta遮断剤、ニプラジロールの抑制作用" 動脈硬化. 20(12). 999-100〓 (1993)
-
[Publications] 栗山哲他: "血管平滑筋細胞細胞膜Ca^<2+>輸送系に対する液性因子の研究" Ther Res. 14(1). 66-71 (1993)
-
[Publications] KURIYAMA S et al.: "Lowered Insulin sensitive Ca^<2+> transport in cultured glomerular mesangial cells from SHR" Jpn J Nephrol. 35(8). 893-899 (1993)