1993 Fiscal Year Annual Research Report
RI標識代謝イメージング薬による心筋症・高血圧心の心筋脂肪酸・糖代謝異常の解析
Project/Area Number |
04807062
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
中田 智明 札幌医科大学, 医学部, 助手 (40198114)
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Keywords | 特発性心筋症 / 心筋代謝イメージング / 心筋糖代謝 / 心筋脂肪酸代謝 |
Research Abstract |
1.目的:脂肪酸代謝とならび心筋エネルギー代謝に極めて重要な役割を果たしている糖代謝について、さきに使用したbeta-methyl-p-iodophenylpentadecanoic acid(BMIPP)に加え、糖代謝医薬品としてC-14標識deoxyglucose(C14-DG)を同時に用い、心筋症に心筋脂肪酸、糖代謝の異常が生じるか、両者の関係から検討した。 2.方法:先の検討から加齢に伴う脂肪酸の低下が示唆されたため、実験モデルとして30週齢(心不全期)の自然発症心筋症ハムスターBiol4.6および同週齢のコントロールハムスターFlb(n=6/group)を用いた。I-125標識BMIPP1.8MBq(50muCi)ならびにC14-DG0.9MBq(25muCi)を静注し、30分後心、血液を採取した。BMIPP/DGの組織集積を組織countingにて、%injected dose、心血液比にて検討した。 3.結果:(1)心%injected dose(Table3)は、Flb群BMIPP、DGがそれぞれ10.9±5.2、0.37±0.19、Biol4.6群がそれぞれ10.4±2.5、0.43±0.09と、DGにおいてBiol4.6群が有意差(p<0.05)に高値を認めた。(2)心血液比は、Flb群BMIPP、DGがそれぞれ0.82±0.20、0.22±0.10、Biol4.6群がそれぞれ1.08±0.27、0.15±0.06と、両群間にいずれも有意差を認めなかった。(3)心DG/BMIPP比を算出すると、Flb群38±5、Biol4.6群48±4と、Biol4.6群が有意な高値(p<0.05)を示した。 4.結論:30週齢(心不全期)特発性心筋症ハムスターでは明らかな心筋脂肪酸代謝障害は認めなかったが、正常ハムスターに比し特発性心筋症ハムスターでは心筋脂肪酸代謝に対し相対的に糖代謝が高進していた。このことは、特発性心筋症ハムスターにおける心筋エネルギー代謝の異常を示唆するものと考えられた。
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