2004 Fiscal Year Annual Research Report
合理的設計した化学モデルを用いた酵素酸素活化反応の系統的研究
Project/Area Number |
04F03270
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
成田 吉徳 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
OUYANG Xing-Mei 九州大学, 先導物質化学研究所, 外国人特別研究員
|
Keywords | 異核二核錯体 / 鉄ポルフィリン / 銅錯体 / 酸素錯体 / 配位様式 / チトクロムc酸化酵素 |
Research Abstract |
チトクロムC酸化酵素活性中心に見られるN3配位子を持つ銅錯体と鉄ポルフィリン間における酸素分子の結合様式やその反応性については錯体化学的にも大きな関心がある。既に、本研究代表者のグループにおいてはN4配位子であるトリス(2-ピリジルメチル)アミン銅(I)錯体を結合させ鉄(II)ポルフィリンと酸素との反応よりμ-η^2:η^1-ペルオキシ錯体が形成されることをその結晶構造解析により世界で初めて立証した。本研究においては、これを更に発展させN3配位子であるトリ-2-ピリジルメチル系配位子を持つ銅錯体結合鉄ポルフィリンの合成と酸素との反応を解明することを目的とした。初年度である本年度は各種のトリピリジルメチル(Py_3C-R)配位子として、R=OMe,OH,H,Meの4種の配位子の系統的かつ合理的収率での合成を達成した。このような誘導体を合成することは、トリピリジルメチル部分の3級炭素に結合する置換基Rの立体的嵩高さにより銅(I)イオンの反応性やその酸素錯体の電子状態、安定性、反応性を系統的に研究する点から意義がある。 次に、Py_3C-R(R=OMe)配位子銅(I)錯体を結合した鉄(II)ポルフィリンと酸素の反応を低温下で予備的検討を行った。酸素は鉄ポルフィリンと優先的に反応し、鉄(III)ポルフィリンスパーオキシド錯体の生成がスペクトルにおいて認められたが、銅イオンとの間で二核錯体の形成は認められなかった。次年度、他のトリピリジルメチル誘導体を結合したポルフィリンと酸素との反応と比較すると共のその原因を明らかにする予定である。
|
Research Products
(4 results)