2004 Fiscal Year Annual Research Report
近代化社会で多様な言語の使用と自由平等の関係をどう処理すべきか
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04F04025
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 守通 東北大学, 大学院・教育学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宝力 朝魯 東北大学, 大学院・教育学研究科, 日本学術振興会 外国人特別研究員
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Keywords | 上田万年 / 作文教育 / 国語教育 / 影響 / 近代化 / 言語 / 自由平等 / モデル |
Research Abstract |
1、上田万年に関する研究 明治後期以降の日本の作文教育を語る際、上田万年を抜きに語ることはできない。特に、彼の『作文教授法』における主張は、明治後期の日本の作文教授法に画期的な影響を与えただけではなく、その後も、明治28年(1895年)当時の新鮮さを保ち続け、日本の作文教育に強く影響してきた。 明治後期以降の日本で標準語教育と共通語教育が行われていたが、その背景に上田の国語を統一するという国語教育思想が根強く働いていたといえる。なお、上田は国語に関する数多くの人材を育てるほか、国語の規範となる辞書の編集にも多大なエネルギーを費やして、膨大な量の国語辞書を発行させ、明治後期以降の日本の国語統一と国語教育のために大きく貢献している。 しかし、上田に関する先行研究は不十分であったので、研究分担者の纏めた論文「明治後期以降の作文教育における上田万年の位置」と「明治後期以降における国語教育への上田万年の影響」に加筆、公表した。 2、近代化・言語・自由平等に関する研究 世界史上に近代化を実現させた国は少なくない。近代化の実現を目指して努力している国も数多くある。近代化によって、たくさんの言語が絶滅し、或いは絶滅の危機にさらされている国もあれば、それに関わるいろいろなことをうまく処理している国もある。本研究を通じて、後者に当たるモデルを発見し、論文として纏めることができた。
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