2004 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導重力計国際観測網データを使った地球の核の固有振動の検出
Project/Area Number |
04F04067
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
佐藤 忠弘 国立天文台, 電波研究部・水沢観測所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SEVERINE Rosat 国立天文台, 水沢観測所, 外国人特別研究員
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Keywords | 超伝導重力計 / 非線形最小2乗法 / 地球核 / 低周波地球自由振動 / 北スマトラ西方沖地震 / GGPデータ |
Research Abstract |
本研究は、国立天文台も参加している超伝導重力計国際観測網GGP(Global Geodynamics project)で得られている高分解能重力データを解析し、地震計では高精度観測がしにくい極低周波(周期1000秒以上)の地球自由振動や、流体核や内核の超周期自由振動(コアモードやSlichterモード)、また、流体核の回転自由モードである日周自由章動に起因する共鳴現象(流体核共鳴)等、地球の流体核、固体内角の固有振動の検出を行うことを目的としている。 今年度は、以下の3つについて研究を行った。 (1)解析方法の改良 国立天文台・福島教授のフループが暦の周波数分解用に開発した、非線形最小2乗法を使った周期解析法を我の目的に合うように改良し、種々のテストを行った。その結果、我々が目的とする解析が出来ることを確認した。計算時間が掛かるのが難点で、その改良が今後の課題である。 (2)スマトラ地震記録の解析 科研費B(2)の資金を得てH16年度10月に、神岡での超伝導重力計の観測を開始したが、その2カ月後(2004年12月26日)、北スマトラ西方沖でM_w9.3の巨大地震が発生した。神岡の記録も含め、国立天文台の他の観測点、またGGP国際センターで公開されたデータも合わせて、低周波地球自由振動の解析を行った。この結果、従来観測されていなかった周波数の固有モードの検出に成功した。 (3)大気質量変動による重力変化の計算 高精度・高分解能で計算できるよう、以前作成した計算プログラムのアルゴリズムの改良を行った。(1)、(2)の成果は、2005年4月末に開かれるヨーロッパ地球物理連合の年会で発表する(佐藤、Rosatが出席)。 (2)については論文にまとめ、米国の専門誌に投稿し、現在査読中である。
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Research Products
(3 results)