2004 Fiscal Year Annual Research Report
パプアニューギニア、マヌス海盆の海底熱水鉱化作用の地球化学的特徴
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04F04070
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
千葉 仁 岡山大学, 理学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GENA Kaul Raymond 岡山大学, 理学部, 外国人特別研究員
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Keywords | パプアニューギニア / マヌス海盆 / 海底熱水 / 鉱化作用 / 地球化学 |
Research Abstract |
パプアニューギニアから研究分担者であるGena氏と過去の海底熱水系選考調査で得られた鉱床試料を迎え入れた。Gena氏を中心として、海底熱水鉱床試料の反射顕微鏡による鉱物学的記載を行い、同定された鉱物について詳細な化学分析をEPMAを用いて行った。この結果,マヌス海盆にある三つの海底熱水性鉱床サイト,PACMANUS, Viena Wood, DESMOSにおいて,その鉱物組成に明瞭な違いがあることが判った。Viena Woodサイトの海底熱水鉱床は,MORBを母岩とした典型的な中央海嶺型の鉱物組み合わせを持ち,Zn-(Cu-Pb)型の鉱化作用に分類できる。Pacmanusサイトの海底熱水鉱床は,デイサイトを母岩とし,黒鉱型の鉱物組み合わせを持ち,Zn-Cu-Pb-Au型の鉱化作用である。DESMOSサイトの海底熱水系は,basaltic andesiteを母岩としているが,他の二つのサイトと異なり,硫化鉱物を海底面上に沈殿させず,元素硫黄によって覆われている。さらに,他の二つの熱水サイトと大きく異なるのは,元素上硫黄や硫化水素のイオウ同位体比が顕著に低いことである。これは,DESMOSサイトでは火山性ガスが海水に直接吹き込むことで海底熱水系が生成されていることを示唆している。これらの成果については,岩石鉱物鉱床学会年会,及び,米国地球物理連合秋期大会で発表を行った。 研究期間1年目を終了しようとしている現在,当初計画のうちの硫化鉱物のEPMA分析とICP-AESによる分析(秋田大学の協力による)の大部分を完了させつつある。今後は,別予算によって本年度購入した質量分析計によって,鉱物の微小領域のイオウ同位体比分析,母岩の酸素・水素同位体比分析を行い3つの異なる熱水サイトの地球化学的特徴をより明らかにすることを計画している。
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Research Products
(1 results)