2004 Fiscal Year Annual Research Report
地球環境建築としてのアトリウムの総合環境評価システムの構築
Project/Area Number |
04F04102
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
仙田 満 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 知映 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | アトリウム / 開口部 / 心理評価 / 開放感 / 予測式 |
Research Abstract |
本研究は、建築運用時における設備運転に関わるエネルギーとして空調負荷に着目し、環境負荷が最も大きい問題とされながらも心理評価の高い空間を提供するには開口部の計画が重要な課題とされるアトリウム空間に対し、開口部設計条件による両指標への予測値を同時に表す計算システムを構築、環境心理評価を高め、空調負荷を低減するための適正レベルの開口部計画条件を提案することを目的とする。まず、アトリウムにおける開口部設計条件による心理評価の構造を把握し、その計画的要因を整理するため、関東地方のアトリウム22ヶ所で滞留利用者を対象にアトリウム空間の心理評価を行った。心理評価は空間の総合評価、開放感、明るさ感などに対する7段階評価尺度によるものとした。ところで、アトリウム空間の総合評価に影響を及ぼす要因は数多く存在し、開口部の計画条件のみでは有効な予測式が得られなかった。そこで、総合評価指標と相関の高い開放感指標を用い空間の総合評価値を目的変数とする回帰分析を行った結果、「総合評価値=0.805×開放感評価値+0.021(修正済決定係数0.437、5%有意)」の予測式が得られ(明るさ感は有意とならず、空間の総合評価へ及ぼす影響は小さいことが確認された)、これら2指標の構造を明らかにした上、開放感を上昇させる計画条件を整理することとした。現在は、開放感指標と相関の高い計画条件として、外部への開口部面積、開口部設置位置、開口部の形状、開口部と滞留位置との関係、開口部を通じて見える外部環境などの変数を整理し、その関係を分析中である。
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