2004 Fiscal Year Annual Research Report
カテプシンD欠損マウスにおけるミクログリアを介した神経細胞死に関与するフリラージカルの全容解明
Project/Area Number |
04F04167
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中西 博 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG J 九州大学, 大学院・歯学研究院, 外国人特別研究員
|
Keywords | カテプシンD欠損マウス / 一酸化窒素 / ニューロン死 / ESR / スピントラップ法 / 活性化ミクログリア |
Research Abstract |
我々はこれまでカテプシンD(CD)欠損マウスの視床におけるニューロン死は一酸化窒素(NO)の酸化代謝物である亜硝酸の蓄積を伴い、また誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)阻害剤で阻害されることから活性化ミクログリアの産生するNOによる酸化ストレスにより生じることを示唆してきた。しかし、NOの役割をより明らかにするためには直接的に測定することが必要と考えられる。そこで今年度はESR/スピントラップ法によるNO測定を試みた。CD欠損ならびに野生型マウスより摘出した視床より調整した可溶分画にジチオカルバメート-鉄錯体を含む試薬を加え、ESR法によるNO測定を行った。またF4/80、抗Iba1抗体、抗iNOS抗体ならびに抗ニトロチロシン抗体を用いた免疫染色を行った。CD欠損マウスの視床におけるNO産生は生後18日目(P18)までは検出できなかったが、P20ならびにP24では著明なNO産生が認められた。一方、野生型マウスの視床ではNO産生は全く認められなかった。免疫染色の結果、iNOSの発現ならびにニトロチロシンの蓄積は各々P16ならびにP20において始めて認められた。二重染色の結果、iNOSの発現ならびにニトロチロシンの蓄積はミクログリアにおいて生じていることが明らかとなった。以上の結果より、ESR/スピントラップ法によりCD欠損マウスの視床に蓄積した活性化ミクログリアの産生するNOの検出が可能であることが明らかとなった。
|
Research Products
(3 results)