2004 Fiscal Year Annual Research Report
日本およびその周辺に分布する小型コウモリ類の系統地理学的および遺伝学的研究
Project/Area Number |
04F04185
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大野 照文 京都大学, 総合博物館, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ARMSTRONG K.N 京都大学, 総合博物館, 外国人特別研究員
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Keywords | コウモリ / DNAマーカー / エコロケーション / 形態計測 / フィールド調査 / 遺伝学 / 分類学 / 琉球 |
Research Abstract |
報告者の研究は、日本のコウモリRhinolophus cornutusの、島嶼と大陸の集団における遺伝的・形態的・行動学的類似性についての研究である。 今年度は、生きたコウモリからDNAサンプルとエコロケーションのデータを得るため、琉球列島他の各島(沖縄島、徳之島、対馬、久米島他)においてフィールド調査を行い、種による鳴き声の違い(超音波域)を調べるとともに、合計で約730サンプルを採集した。採集したDNAサンプルは現在研究室で解析中である。分類学的問題の解決のため、DNAを抽出し、2つの遺伝マーカーについてシークエンスを行った。これらの結果は2005年8月札幌で開催される第9回国際哺乳類学会において発表する。本研究の集団遺伝学的部分であるマイクロサテライトのプライマーは現在テスト中であり、サンプル解析は近日中に開始する予定である。 日本におけるこれらの研究成果は、日本哺乳類学会定期大会(於・神奈川県厚木市、平成16年10月)、東アジア哺乳類学シンポジウム(於・台湾・台中市、平成16年11月)の2つのシンポジウムで発表した。 以上の研究を遂行するため、JSPS研究補助金を以下のように使用した(主要なもののみを挙げる)。 1.琉球・対馬における、生きたコウモリのサンプリングのためのフィールドワーク 2.コウモリのエコロケーション(音響探知法;)録音専用の電子機器購入 3.DNA抽出・増幅・配列決定のための試薬類、マイクロサテライトDNA用のプライマー
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