2004 Fiscal Year Annual Research Report
マダニ生物活性分子組換え体ウイルスを用いた抗マダニワクチンの開発
Project/Area Number |
04F04216
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
藤崎 幸蔵 国立大学法人帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BATTSETSEG Badgar 国立大学法人帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | マダニ / マダニ生物活性分子 / フタトゲチマダニ / ウイルス組換え体 / TBM / バイオ殺ダニ剤 |
Research Abstract |
研究の骨子は、ディフェンシン(特許出願番号2003-54495)などのマダニの様々な生物活性分子tick bioactive-molecules(TBMと総称)の遺伝子のクローニングに関する研究をさらに推進し、(2)TBMの特性・機能の解明を行ってワクチン候補物質としての可能性を検証し、(3)有効性が示されたTBMの遺伝子については、ヘルペスウイルスに導入し、抗マダニウイルスベクター組換えワクチンとして免疫学的なマダニ防除目的への活用を図ることである。 本研究が意図している組換え体ウイルスを抗マダニワクチンとして応用する試みは、化学的殺ダニ剤に対する抵抗性マダニの出現、残留殺ダニ剤による環境・食物連鎖の汚染、強化された安全性試験による新規化合物開発経費の高騰などの、化学物質を用いる現行のマダニ対策が抱える多くの問題点を解決しうる有力なアプローチであることに加え、マダニ防除を通して原虫などの様々なマダニ媒介性疾病の防圧にも資することが可能であることから、その社会的・学術的意義は極めて高いといえる。 平成16年度においては、(1)マダニのcDNAライブラリーの作製:すでにクローニング済みの8種類に加えて新規の生物活性分子と遺伝子を探索する目的で、新たに未吸血期、変態期、産卵期のcDNAライブラリーを作成、(2)新規TBMの同定とクローニング:すでに作成済みのマダニの中腸、ヘモサイトなどのmAbをプローブとしたcDNAライブラリーのイムノスクリーニングを行うとともに、EST解析によって興味あるTBMの遺伝子情報に基づいたゲノム断片クローニングを行う。また、他の節足動物で既知の生物活性分子に関する情報をもとに作成したDNA-Probeを用いたプラックスクリーニングを実施し、多様なTBMと遺伝子の多重的多段的なクローニングを行う、(3)遺伝子の発現と機能の解析:クローニングしたTBMの特性、ダニ体内における局在を解明、などの研究を展開した。
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Research Products
(1 results)