2004 Fiscal Year Annual Research Report
都市型産業集積とネットワークにおける地域金融の役割に関する研究
Project/Area Number |
04F04266
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
佐々木 雅幸 大阪市立大学, 大学院・創造都市研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KIM SUNSIK 大阪市立大学, 大学院・創造都市研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | クラスター / 地域金融 / 日韓比較 / リレイションシップ金融 / 産業集積 / RIS / 韓国 / 地域政策 |
Research Abstract |
第1に、大阪と京都の地域金融におけるリレイションシップ金融の現状を調査・分類・整理した。これには、従来の融資中心の長期的なリレイションシップを中心軸に据えているところと、債権の流動化に積極的に取り組み、デット・デット・スワップやデット・イクエィティ・スワップなどを駆使する準備を行っているところに大きく分類することができた。しかしながら、地域経済のマクロ指標との整合的な関係は得られず、地域ごとの偏差は主に金融機関のビヘイビアーにあるような1次結果が得られた。 第2に、韓国の地域イノベーションシステムの構築に関する情報と資料を収集した。これには、現地訪問と関係専門家からの協力によって、現在までの地域イノベーション事業の細部に渡る情報を得ることができた。また、地域金融機関がどのような形で参加し、ネットワークを形成しているのかについて、釜山地域の地方銀行の関係者へのヒアリング調査も並行して行った。 第3に、地域金融と産業クラスターを結ぶ理論構築を進める作業として、M.BodenhornやL.Whiteらの論議を踏まえて、アメリカやヨーロッパにおける地域中小企業の資金調達方法の多様化の現状を産業クラスターの側面から再整理し、クラスターの集積度を表す指標と地域内のキャッシュ・フローの相関関係を表す指標との整合性を分析する作業を行った。また、統計的な指標つくりの傍ら、概念的な理論成立のための文献サーベイ壷行い、従来の欧米におけるリレイションシップ金融の研究文献などを収集・検討作業を行った。
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