2004 Fiscal Year Annual Research Report
潜在的な経年劣化リスクを反映した鉄筋コンクリート構造の竣工後早期品質同定システム
Project/Area Number |
04F04355
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岸 利治 東京大学, 生産技術研究所, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PHAN Quoc Huuduy 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | コンクリート / 施工 / 品質 / 耐久性 / 非破壊 / 検査 |
Research Abstract |
近年、施工不良や作業員の技術不足により、コンクリートの品質を確保することが益々困難になってきている。さらに、コンクリート打設の作業効率を上げるために、フレッシュコンクリートの性状はポンプ圧送性が重視されているが、単位水量を大きくしてポンプ圧送性を上げることは長期耐久性を考えると良いことではない。一番の問題点は、供用後、長期間経過して、コンクリート表面に劣化が顕在化するまで、コンクリートの品質の良し悪しが認識されないことである。低品質のコンクリートでも、建設直後は問題が表面化しない。打設時に取得したコンクリートサンプルを用いて圧縮強度の確認は行われるが、テストピースは施工の影響を反映しておらず、強度は長期性能を保証するものではない。また、コンクリートの品質を対象とした検査手法はいくつか開発されているが、現在の技術や検査のノウハウは劣化したコンクリートを対象としたものが多く、施工直後のコンクリートの品質同定に適したシステムは未整備である。本研究は、構造物中のコンクリートの品質を早期に判定する手法およびシステムの開発と、検査結果を解析モデルにインプットし、コンクリートの長期性能を予測する検査システムを構築することを目的としている。 10月より研究分担者が外国人特別研究員に着任したことにより研究を開始したところである。日本国内および海外で使用されている構造物中のコンクリート品質を特定する方法とそのために使用される装置の現状について調べた。これまでに、ヨーロッパRILEMでState of the art reportの取り纏めがなされており、日本でも幾つかの先駆的な研究が確認された。ただし、これまでは、技術シーズと社会ニーズの合致が十分でなかったと思われる。 また、海外(特に欧米国)で使用されている現場でのコンクリート簡易品質確認・評価方法の規準への導入状況について調査を行っている。
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