2005 Fiscal Year Annual Research Report
環境水中微量医薬品由来化合物の分析および促進酸化処理
Project/Area Number |
04F04379
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
古賀 実 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KIM Kyoung Suk 熊本県立大学, 環境共生学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 水質汚濁 / 微量分析 / 医薬品由来化合物 / 促進酸化処理 / 酸化分解 / 抗生物質 |
Research Abstract |
近年、環境水中に存在する抗生物質、抗炎症剤、解熱鎮痛剤、β遮断剤などの医薬品起源化学物質の存在、挙動および生態系に与える影響について関心が持たれている。抗生剤Amoxicillinはヒトおよび動物医薬品として広く使用され、下水処理水や河川水中に数ppbレベルで検出された報告もある。オゾンおよび促進酸化処理はこれら医薬品の分解処理に効果的であると考えられ、Amoxicillinについてオゾンによる直接酸化又はOHラジカルによる速度論的研究がいくつか報告されているが、分解メカニズムに関する知見は少ない。本研究ではAmoxicillinの実験室内オゾンおよびオゾン/UVによる酸化処理実験を行い、分解処理効率を比較するとともにGC/MSおよびLC/MSを用いて中間生成物の検索を行い、Amoxicillinのオゾンによる酸化分解経路を推定した。 AmoxicillinはUV処理単独でも減少傾向が見られるが、オゾンおよびオゾン/UV処理によって短時間のうちに分解が進むことが確認された。また酸性条件下およびラジカル阻害剤の添加によって分解は極めて緩慢になり、Amoxicillinの酸化分解には化学量論的実験結果からもOHラジカルの関与が大であることが確認された。さらに中間生成物を抽出し誘導体化後、GC/MSを用いて検索した結果、十数種の化合物が同定され、Amoxicillinのオゾンによる酸化分解経路を推定する事が出来た。 これまでの研究成果の一部は平成18年3月、仙台市で開催された日本水環境学会第40回年会で研究発表した.また、平成18年9月に中国・北京で開催予定の世界水会議において発表する予定である。
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