2005 Fiscal Year Annual Research Report
速度分解励起原子衝突イオン化電子分光法と走査プローブ顕微鏡による表面反応ダイナミクスの解明
Project/Area Number |
04F04384
|
Research Institution | Tohoku University |
Host Researcher |
大野 公一 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授
|
Foreign Research Fellow |
BORODIN Andriy 東北大学, 大学院理学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | Penning ionization / Electron Spectroscopy / Collision Energy / Interaction Potential |
Research Abstract |
以下に挙げるような、分子と励起原子との相互作用の異方性ならびに電子構造、イオン化過程の立体反応ダイナミクスにする研究を推進した。 A.準安定励起原子He^*(2^3S)によるHCOOH, CH_3COOHとHCOOCH_3の衝突エネルギー分解2次元電子分光 衝突エネルギー/電子エネルギー分解2次元ペニングイオン化電子分光法でギ酸(HCOOH)や酢酸(CH_3COOH)、ギ酸メチル(HCOOCH_3)について、準安定励起ヘリウム原子He^*(2^3S)との異方的な相互作用について研究した。σ_<co>軌道からのイオン化に対応するバンド強度の衝突エネルギー依存性から、カルボニル基近傍の強い引力的相互作用が見いだされ、逆に、分子面外方向では斥力的な相互作用が分かった。 B.準安定励起原子He^*(2^3S)によるπ電子共役化合物(フェニルアセチレンとジフェニルアセチレン)の衝突エネルギー分解2次元電子分光 衝突エネルギー/電子エネルギー分解2次元ペニングイオン化電子分光法で、π電子共役化合物であるフェニルアセチレン(C_6H_5C≡CH)とジフェニルアセチレン(C_6H_5C≡CC_6H_5)について、準安定励起ヘリウム原子He^*(2^3S)との異方的な相互作用ならびに電子構造について研究した。フェニル基とアセチレン基のπ電子は相互作用し複数の分子軌道を形成するが、励起原子との引力的相互作用は異なるために、アセチレン基近傍であっても相互作用ポテンシャルには空間的な異方性が生じる。また、衝突エネルギー分解ペニングイオン化電子スペクトル中で、光電子スペクトル中では見られないバンドを見いだした。そのバンドの負の衝突エネルギー依存性から、π電子からのイオン化においてππ^*電子励起を伴うシェイクアップ過程による電子相関バンドであると結論した。
|
Research Products
(2 results)