2005 Fiscal Year Annual Research Report
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04F04401
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤塚 守 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CAI Xichen 大阪大学, 産業科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | マルチレーザー励起 / 高励起三重項状態 / 直接観察 / 結合解離 / ナフチルメチルラジカル / 共役系高分子オリゴマー / レーザーフラッシュホトリシス / ピコ秒過渡吸収 |
Research Abstract |
平成17年度においてはナノ秒およびピコ秒マルチレーザーシステムを用いて、種々の光機能性分子の高励起状態の直接観察を行った。さらにナノ秒マルチレーザーシステムを用いて結合解離反応について検討することで、高励起三重項状態からの結合解離の因子を明らかにした。 1.ピコ秒マルチレーザーシステムを用い高励起三重項状態の直接観察を行った。実際、ベンゾフェノン誘導体や共役系高分子オリゴマーに対し、YAGレーザーの三倍波および二倍波により基底状態と最低励起三重項状態を選択的に励起した。ベンゾフェノン誘導体について、高励起三重項寿命に与える置換基の影響を明らかにした。また、共役系高分子系オリゴマーについて高励起三重項状態エネルギーを実験的に決定し、寿命とエネルギーギャップのあいだにエネルギーギャップ則が成立することを見出した。 2.すでに、ベンゾフェノンとナフタレンをC-Oで結合した分子について、最低励起三重項状態では結合解離しないが、高励起三重項状態から結合解離することを見出しているが、さらに、他の化合物の高励起三重項状態からの結合解離の検討を行なった。ベンゾフェノンと種々の置換基をC-Oで結合した分子では、解離エネルギーのみではなく、高励起三重項状態の非局在の程度によって解離収率が大きく影響を受けることを明らかにした。このような傾向はC-O結合のみではなく、C-Si結合を有する化合物においても確認された。二色二レーザー励起により高励起三重項状態を経た結合解離が実現できるが、さらに、三色三レーザーを用いることで複数の結合解離を実現することを見出した。
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