2004 Fiscal Year Annual Research Report
沿岸域の統合的管理と沿岸地域社会の多面的機能に関する研究
Project/Area Number |
04F04477
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山尾 政博 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SUANRATTANACHAI Phattareeya 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 統合的沿岸域管理 / 漁村の多面的機能 / 住民参加型 / 地方分権型 / 地方自治体 / 津波被害 / 条件不利地漁村 |
Research Abstract |
本研究の目的は,東南アジア,日本を始めとする東アジアの沿岸域資源管理および沿岸環境の持続的利用と保全にかかわる調査研究をおこなうことである。 具体的には,1)東南アジア・東アジアの統合的沿岸域資源管理の進展状況を明らかにして先進事例調査を行なう,2)漁村の多面的機能を明らかにして東南アジアの漁村開発のあり方を検討する,3)統合的沿岸域管理および漁村開発に関する政策提言を行なう,の3つを課題としている。 初年度である本年は,短い期間ではあったが次のような研究成果をあげた。まず,アジア途上地域の沿岸域資源管理システムに関する文献サーベイを進め,特に,パイロット・プロジェクトの最近の動向と傾向を明らかにした。また,タイ南部のパンガー湾周辺の漁村において沿岸域資源の利用と管理について聞き取り調査を行い,地方分権型・住民参加型の資源管理組織の動向について明らかにした。地方自治体(タンボン)が受け皿になり,住民の意向を踏まえて資源管理に取り組む動きがある。資源利用実態を踏まえて海域をゾーニングする試みもみられた。 2004年12月26日のスマトラ沖地震・津波の発生によって,調査対象地としていたパンガー湾およびマレーシアのランカウイ島が大きな被害を受けたため,調査日程及び調査内容の変更を余儀なくされた。津波被害を受ける以前と以後の資源の利用状況について聞き取り調査し,復興過程で資源の乱獲に陥らないようなシステム作りが可能かどうか,あわせて検討することにした。 なお,瀬戸内海の条件不利地漁村において,次年度以降に行う調査の準備を始めた。
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