2005 Fiscal Year Annual Research Report
湿地および内水面におけるサツマイモの無土壌栽培技術の開発
Project/Area Number |
04F04479
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
北宅 善昭 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ISLAM Saiful A.F.M. 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | サツマイモ / ハイドロボール / ロックウール / 気孔コンダクタンス / テラピア / 養液栽培 / 蒸散 / 光合成 |
Research Abstract |
1.サツマイモの養液栽培において、ロックウールブロック、カットロックウール、ハイドロボールおよび粒状塩化ビニルを供試して、塊根成長を促進できる最適な支持培地について検討した。その結果、ハイドロボールが支持培地として最適であった。 2.テラピア養魚池におけるサツマイモの養液栽培について検討した。ナイロン製網袋にハイドロポールを充填し、サツマイモを挿し木した。それらを底面に穴を設けた発泡スチロール製栽培容器内に入れて池に浮かべた。固形肥料を植え付け時、植え付け1ケ月後および2ケ月後に施肥した。その結果、塊根および茎葉部の成長は、一般の栽培と同等であった。また栽培容器外に伸長した根がテラピアの餌となり、テラピアの成長に貢献した。 3.サツマイモ26品種を8月初旬に植え付け、11月中旬に収穫し、2期作の可能性を検討した。6品種の塊根収量は、通常の栽培方法とほぼ等しかった。ベニアズマの収量は最大となり、次いでコウケイ 14>ベニオトメ>パープルスイートロード>ジョイホワイト>カントウ99の順に収量が高かった。これらの品種は、遅い植え付け時期でも成長速度が大きく、2期作が可能であり、年あたり,単位面積あたりの収量を飛躍的に高めることが可能である。 4.13品種のサツマイモを用いて、耐干性・耐暑性を持つ品種の探索実験を、2005年7-8月において、温室内の高温条件下(最高気温40℃)で行った。潅水後の土壌水分減少に伴う、サツマイモ葉の蒸散速度、気孔コンダクタンス、純光合成速度および葉緑素含量の経時変化を比較した。その結果、ベニアズマ、コウケイ14号、ツルセンガンが耐干性および耐暑性を持っていた。本研究の主要課題であるサツマイモ養液栽培技術を熱帯地域に応用するためには、耐干性および耐暑性を持つ最適なサツマイモ品種の選択が重要である。
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