2004 Fiscal Year Annual Research Report
牛のルーメン繊維分解能の増強と生産性向上のための繊維分解酵素とプロバイオテックスの利用に関する研究
Project/Area Number |
04F04480
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
板橋 久雄 国立大学法人東京農工大学, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LILA ZEENAT ARA 国立大学法人東京農工大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | ウシ / ルーメン / 繊維消化 / プロバイオテックス / セロビオース / 揮発性脂肪酸 / 消化率 / プロピオン酸 |
Research Abstract |
牛の飼料の消化に対するプロバイオテックスとセロビオース添加の影響を検討した。牛よりルーメン液をカテーテルにより採取し,24時間の試験管内培養実験を行った。ルーメン内容液を緩衝液で3倍に希釈したものを培地とした。これを120mlの血清ビンに60ml入れ,これらの添加量は0.1〜1%とした。基質としては乾草+濃厚飼料(1.5:1)を用い,プロバイオテックスとしてはSaccharomyces cerevisiae 2菌株を用いた。培養は38℃で嫌気的に行った。培養終了後に,揮発性脂肪酸(VEA)の分析をガスクラマトグラフィーにより行った。消化率は乾物と中性デタージェント繊維について常法により行った。 培養の結果,いずれの添加によっても,ルーメン液のpHは変化しなかった。揮発性脂肪酸の生成量は増加し,VFAの中で酢酸の比率は低下し,プロピオン酸の比率は増加した。その他のVFAの比率の変化は認められなかった。プロトゾア数は変化しなかった。 いずれの添加の場合でも,乾物および繊維(NDF)の消化率は10〜15%増加し,添加量が高まるにつれて増加することが明らかとなった。さらに,この両者を併用すると,消化率の増加はさらに高まった。以上より,S.cerevisiae 2菌株とセロビオースは,微生物の活性を高め,繊維の消化を促進する可能性があることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)