2005 Fiscal Year Annual Research Report
インシュリン様増殖因子Iを用いた日本の肉用牛の育種計画の評価
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04F04481
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Research Institution | Kyoto University |
Host Researcher |
廣岡 博之 京都大学, 農学研究科, 教授
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Foreign Research Fellow |
KAHI Alexander Kigunzu 京都大学, 農学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 育種システム / 黒毛和種 / 褐毛和種 / 交雑 / 利益 / 枝肉形質 / 経済的重み付け値 / 枝肉 |
Research Abstract |
今年度は、以下の2つの研究成果を得た。 (1)ホルスタイン種との交雑を利用した黒毛和種の選抜計画の経済効率を日本の牛肉生産の利益を最大にすることを目的に評価した。選抜計画は、選抜基準として利用できる記録の相違によって定義した。各々の選抜計画においてもどし交配を伴わない2元交雑システム(F1システム)ともどし交配を伴う2元交雑システム(F1クロシステム)の2つのシステムを考慮した。年当たりの選ばれる種雄牛の数、黒毛和種種雄牛に交配されるホルスタイン雌牛の数および更新用に残されるF1雌牛の数が利益に及ぼす影響をすべての選抜計画に関して調べた。ホルスタイン種との交雑の利用は、黒毛和種純粋種のシステムよりも利益が低く、すべての選抜計画でF1クロシステムよりもF1システムの方が利益は大きかった。利益は、黒毛和種に交配されるホルスタイン雌牛の割合や更新のために維持されるF1雌牛の割合よりも年当たりに選抜される種雄牛の数によって影響されることが分かった。 (2)日本褐毛和種における利益と発育形質または枝肉形質の関係を調べ、個々の形質と経済的重み付け値の線形式から利益の育種価を求めた場合(間接法)と利益を1形質とみなし直接育種価を求めた場合(直接法)の比較を行った。利益に関する形質としては、年当たりの収益、その収益を摂取エネルギーで除した効率および収益から生産コストを差し引いた利益の3つを想定した。3つの利益形質と脂肪交雑との遺伝相関はいずれも0.60以上で高かったことから、利益に関する選抜は脂肪交雑の向上をもたらすことが示唆された。同じ利益形質に関する間接法と直接法の種雄牛の育種価に関する相関は0.8以上であった。このことから、我が国の枝肉市場データを用いた場合の利益を選抜対象形質とする直接法は有効な方法であることが指摘された。
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Research Products
(2 results)