2005 Fiscal Year Annual Research Report
原子レベル平坦化表面に結合させた高配向高耐食性防食膜の開発
Project/Area Number |
04F04570
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Host Researcher |
南條 弘 独立行政法人産業技術総合研究所, コンパクト化学プロセス研究センター, 研究チーム長
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Foreign Research Fellow |
XIA Zhenbin 独立行政法人産業技術総合研究所, コンパクト化学プロセス研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 平坦化 / 原子像 / 防食 / 酸化膜 / 陽極酸化 / 結晶化 / テラス / チタン |
Research Abstract |
分光エリプソメータ、接触角計、原子間力顕微鏡を用いて、炭化物系コンタミネーションに覆われた空気酸化膜に及ぼす紫外線照射の影響について研究した。SiO2を標準試料として用いて紫外線照射によるTi空気酸化膜の構造変化を比較検討した。分光エリプソメータで膜厚変化をモニターし、膜厚が最小になる時間をコンタミネーションの分解時間とすると、Siの場合4059分であるのに対して、Tiの場合337分と非常に短くなった。チタン表面膜の光学定数(屈折率と消衰係数)と膜厚は紫外線照射により、減少した。AFM像観察から、約10nmの粒子状構造が見られ、紫外線照射により表面粗さRmsが減少した。また、紫外線照射により、水の接触角が79°から19°に減少し、親水性表面に変化した。本結果はe-JSSSに掲載された。 チタン薄膜をスパッター法で作製直後、空気中においてチタン酸化物とその上に堆積する炭化物系コンタミネーションの成長過程を分光エリプソメータで同時測定し、それらを分光エリプソメータで二相分離して膜厚を求めた。初期における膜成長速度は酸化物の方が、コンタミネーションより10倍以上大きいが、ほぼ膜厚が一定値に達した16000min(11.1日)後におけるコンタミネーションと酸化物の膜厚はそれぞれ1.48nmと1.02nmであった。本結果は論文投稿準備中である。 動電位法における表面構造を観測した。最高電位が-50mVから1500mVにかけて膜厚は1.0nmから4.7nmまで大きくなるが、表面粗さに大きな変化はなかった。定電位法に比べて原子レベルで平坦な表面が多くなり、テラス幅は5nmから7nmと電位が高いほど広くなる傾向が見られた。また陽極酸化で形成される皮膜の結晶化は屈折率が大きいほど緻密な結晶化が進むことを示した。本結果は2006春の応用物理学会で発表される。
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Research Products
(2 results)