2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04738
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福山 透 東京大学, 大学院薬学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
D'HOOGE F. 東京大学, 大学院薬学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | アルカロイド / βラクタム / インドール / イミダゾール / 中員環化合物 / 全合成 |
Research Abstract |
シャルテリンAは海洋性コケムシより単離されたアルカロイドである。スピロβラクタム環を有するインドレニン骨格とイミダゾール骨格を含む11員環化合物であり、天然有機化合物の中でも希有な構造をしている。また芳香環が高度にハロゲン化されているのも特徴の一つである。これらの構造は合成化学的手法を用いた構築において困難が予想される。これまでに一報のシャルテリン類の合成研究の報告がなされているが、全合成は未だに達成されていない。またシャルテリン類の生理活性について詳細な報告はなされていないが、インドレニン、βラクタム、そしてイミダゾール骨格と、現在用いられている医薬品の中にも多数見受けられる構造が含まれていることから、興味深い活性を有していると期待される。そのため、合成化学的手法を用いてシャルテリン類の全合成法を開発し、各種類縁体の合成へと応用することにより、新規医薬品のシーズとなる化合物が得られるものと考えられる。本年度はモデル基質を用いて、11員環形成の検討を行った。カルボン酸とアミンとのアミド結合形成、アミドとアルコールとの光延反応、アミドと活性化されたアルコール(ハロゲン化アルキルを含む)とのアルキル化反応等を検討したが、いずれの場合も目的とする環化体を得ることはできなかった。そこで、あらかじめβラクタムを有する化合物を合成し、βラクタムからアルデヒドへの求核付加反応を行い、環化反応を行うこととした。その結果、低収率ではあるが、環化体に相当するスペクトルデータを得ることができた。
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