2004 Fiscal Year Annual Research Report
静的および動的負荷を受ける形状記憶合金と形状記憶ポリマーの熱・力学特性の研究
Project/Area Number |
04F04774
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
戸伏 壽昭 愛知工業大学, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PIECZYSKA Elzbieta 愛知工業大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 形状記憶合金 / 形状記憶ポリマー / 形状記憶効果 / 超弾性 / エネルギーの散逸 / エネルギーの貯蔵 / ひずみ速度 / マルテンサイト変態 |
Research Abstract |
形状記憶合金および形状記憶ポリマーに関して静的及び動的負荷を受ける場合の熱・力学特性を研究した。TiNi形状記憶合金のワイヤーとリボンに関して種々の条件下での実験を行った。得られた結果の要点は次のとおりである。(1)マルテンサイト変態および逆変態の応力水平段は温度に比例して高くなる。マルテンサイト変態は発熱反応うであり、応力水平段において温度は上昇する。逆変態は吸熱反応であり、応力水平段において温度は降下する。(2)試験雰囲気温度の制御方法に依存して変形特性は著しく異なる。この相異はひずみ速度の高い場合に顕著に現れる。雰囲気温度を制御する場合、ひずみ速度が高くなるとマルテンサイト変態応力は高くなり、逆変態応力は低くなる。これは両変態に伴う温度変化に基づいて現れる。一方、雰囲気温度を制御しない場合、ひずみ速度が高くなるとマルテンサイト変態応力および逆変態応力は共に高くなる。これはマルテンサイト変態により上昇した温度が除荷過程においても保たれるために現れる。超弾性に伴う応力-ひずみ曲線は負荷と除荷でヒステリシスループを描く。このヒステリシスループの囲む面積と除荷曲線の下の面積はそれぞれ単位体積当りの散逸仕事Wdと回復可能なひずみエネルギーErを表す。したがって、雰囲気温度を制御する場合には、ひずみ速度が高くなるとWdは大きくなり、Erは小さくなる。これに対して、雰囲気温度を制御しない場合には、ひずみ速度が高くなるとWdは減少し、Erは増加する。(3)形状記憶合金の超弾性に伴うエネルギー散逸特性と貯蔵特性のひずみ速度への依存性は雰囲気温度の制御方法で著しく異なる。実用においてはこの特性を正しく理解して記憶素子を設計することが重要である。
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Research Products
(2 results)