2005 Fiscal Year Annual Research Report
制御工学に独立成分分析を導入し数理的検討を加えて、システム同定や適応制御の新しい手法を開発する。
Project/Area Number |
04F04809
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
杉本 謙二 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JANI Even 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 独立成分分析 / システム同定 / 信号処理 / ブラインド分離 / 統計 / フィルタ |
Research Abstract |
独立成分分析(ICA)は多変量解析・信号処理のための一連の新しい手法であり、音声をはじめとする幅広い分野で活発に研究されている。これをシステム制御の分野に導入すれば、未知外乱の抑制やシステムの故障検出など数多くの工学的応用が見込まれる。受入研究者の杉本は制御工学の観点からICAを研究しており、特別研究員のJani Even博士は統計学・信号処理の専門家である。これらの背景を踏まえ、双方でインターネットによる議論を進めた末、Even博士は平成16年11月15日付で当研究室に着任した。 平成17年度は前年度の準備期間の後、具体的な研究成果を挙げ、国際会議3件、国内学会1件の発表を行った。まず、ICAではバイプロパなシステムが主であるのに対し、制御工学のシステム同定では厳密にプロパなシステムが多いため、これに対処する手法を検討した。多項式行列インタラクタによる対処法を開発し、さらに、それもブラインド推定することが可能となった。これによって制御の幅広い分野で実応用への道を拓くことができるものと考えている。この結果については、萌芽的な段階での報告をSICE制御理論シンポジウムおよびSICE Annual Conferenceで行った。また、理論を拡充させてアメリカで開催のICA2006にて発表した。この議事録はSpringer社のLecture noteとして次年度に発行されることが決まっている。さらに、現在は学術雑誌への投稿を準備している。 次に、非最小位相システムへの拡張を試み、ある限定されたクラスに対してはブラインド同定が可能となった。これは時間逆転フィルタリングを用いるという斬新なもので、Stochastic System Symposiumで発表した。現在はこれを一般のクラスにまで拡張しようと試みている。
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Research Products
(4 results)