2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J00357
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡崎 一美 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 免疫グロブリン / クラススイッチ / 体細胞突然変異 / AID |
Research Abstract |
AIDは、抗体のクラススイッチ(CSR)および体細胞突然変異(SHM)に必須の分子であり、AIDの制御あるいは機能異常が癌化を引き起こし得ることが明らかになっている。そこで、AIDがクラススイッチ組換えおよび体細胞突然変異に関わる詳細な分子機構とその制御機構の解明を目的とした。本年度は、以下の成果が得られた。 1.AIDの作用機序を明らかにするために、AID結合タンパク質およびAID標的分子の同定を目的とした。B細胞株CH12F3-2にAIDを過剰発現させた系を用い、AID複合体を効率良く免疫沈降する条件を決定した。AIDとともに共沈する約20種類のタンパク質を質量分析法により同定し、各候補タンパク質について解析を進めた。また、Gene chipを用い、AIDと共沈するRNAの同定を試みた。 2.AIDトランスジェニックマウスに発症するT細胞リンパ腫において、AIDの作用によって導入される突然変異の標的特異性を明らかにするために、このT細胞リンパ腫において高発現している遺伝子に関して変異の有無を検索した。その結果、AIDによって変異が導入される遺伝子は限定されており、B細胞において標的となる遺伝子と同様の特徴を有していること、さらに、変異のパターンは遺伝子によって異なることが明らかになった。このことから、高頻度に転写されていることの他に、AIDによる変異の特異性を決定する機構が存在することが示唆された。 3.B細胞におけるAIDの過剰発現がクラススイッチおよび体細胞突然変異に及ぼす影響、さらに染色体転座や癌化におけるAIDの関与を検討するために、B細胞特異的AIDトランスジェニックマウスの作製を行った。血清抗体レベル、体細胞突然変異の頻度、in vitroにおけるクラススイッチの効率、B細胞腫瘍発症の有無などの解析を行った。
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